【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ42)

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第39話ページ42

「(･･･いっぱい食べた･･･)」
　歓迎会は何時間にも及び、まだ騒いでいるメンバーもいる中。
Aは水の入ったコップを両手で持ったまま、頭をコクンコクンと動かしている。
「･･･オイ･･･眠いのか？」
　Aの向かい側に座っていたコネシマが、眠たそうなAに声を掛ける。
「･･･。」
「･･･寝るなら部屋帰らんとアカンやろ。大先生。」
「ん？ああ。」
コネシマが鬱に声をかけると、鬱は飲み物を飲んでから、軽くAの肩を叩く。

「Aちゃん？眠いなら家帰る?」
「・・・。」
「アカン、ぽやぽやしとる。」
「ハァ？」
コネシマは面倒そうな声を出して、嫌そうにAを見る。
「この騒がしい中よく寝れるな。」
「疲れとるんやろ。実技学もあったし。」
「どうするねん。コイツの家知らんぞ。」
「このまま寝させておけばいいめう。どうせ明日には引っ越しの手伝いするし。」
「･･･俺はせんからな。」
「いいめう、他の人連れて行くから。」
ニッコリと笑うオスマンに、コネシマは面白くなさそうに舌打ちを小さくする。
「Aちゃんの事、信用してあげてもええんちゃう？」
「嫌や。知らない事多すぎるねん。
　必要以上に喋らへんねん。重要な事をまだ喋ってへん気がする。」
「そりゃあ互いに知り合ったばっかりやもん。俺等やって、教えたのは名前と得意魔法だけ。
　好きなモン嫌いなモン、趣味も何も知らへん。まぁシッマは"コレ"見てどう思うかやね。」
「？何を見せ･･･」

　グイッ
オスマンはAを起こさないように、Aのジャージの襟を少しだけ引っ張った。
Aは既に眠っているからか、スースーと小さく寝息をたてている。
「･･･ハ･･･？」
コネシマはオスマンによって見える様になったAの首を見て、目を丸くさせた。
　Aはタートルネックを着ている為あまり首が見えないが、何か傷の様なモノが少し見えている。
「身長的に、見えてしまうんよね～。
　幾ら隠してても見えてまう、この傷は何やろね？」
オスマンはコネシマに訊ねながら、Aのタートルネックの襟を少し下げた。
「！何や、ソレ･･･。」
　Aの首が一部見えて、コネシマは開いた口が塞がらなくなる。

「･･･見たくなかったんやけど、Aちゃんの傍に寄った奴は大体気づいとる。」
鬱はAに煙が行かない様に煙草を吸いながら、静かにコネシマに言った。

Aの首には拘束具の痕があり、傷痕や痣があった。