【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ36)

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第33話ページ36

「な、何をしたんだ！？」
　そうAに声をかけたのは、Aに対戦相手を紹介してくれた教師だった。
「？闇魔法の渦から･･･剣を取り出して、斬りました･･･。」
　「中級辺りで分かる方法じゃないか！？
　それに、あの大きい竜巻も斬っていなかったか！？」
「はい･･･。剣を変形させて、刀身を長くして･･･身体に、防御魔法をまとわせて･･･。」
　「それで、竜巻の中を通って、斬ったと･･･？」
「？はい･･･。」
　教師が驚いたまま訊ねてくるので、Aは首を傾げながら答える。

　「いやぁ、お見事。実に面白い実技だ！」

　「！グルッペン・フューラー･･･！？」
「･･･(見てたんだ･･･)」
　拍手をしながら此方へ歩いてくるグルッペンに、教師は更に目を丸くし、Aは無表情のままグルッペンを見る。
「初心者相手だが容赦のない威圧、そして高度な闇魔法のスムーズな行使。
　俺の勘は鈍ってはいなかった様だな。なぁ、A？」
グルッペンはニヤリと笑って、

　「お、お前･･･この男に目をつけられていたのか･･･！？」
教師は驚いて、動じていないAに訊ねる。
「･･･得意魔法が闇なので、気づいていただいた･･･だけです･･･。」
　「そ、それだけではここまでこの男は出て来ないぞ！？」
教師の言葉に、グルッペンは意地悪く笑う。
「やはり諦め切れないな。君には多くの可能性が秘められている。
　俺はソレを実現させたい！この公の場で、もう一度問おう。
　A、俺のグループに入れ。これは勧誘だ。"将来"も約束しよう。」

　グルッペンの言葉に、周りがどよめく。
　「え･･･！？」
　「あの男が、新入生の女子を勧誘した･･･！？」
　「まだ勢力を拡大するつもりか･･･！？」
　「何あの子･･･。」
　「強さは本物っぽいけど･･･。」

「(･･･騒がしいな･･･)」
　Aは周りのどよめきが煩くて、少し顔を顰めた。
「(総統様達は有名で、女子からの人気が高い･･･
　しかも今の反応で、教師からは問題児？として見られる程強いのは分かった･･･
　･･･この公の場で断ったら、更に目立ってしまう･･･
　この人に･･･総統様に、嵌められた･･･)」
「･･･クックック･･･『嵌められた』とでも言いたそうだな？嵌めてはいないさ。
　俺の衝動が抑えきれなくなって、今、再度勧誘したくなったんだ。」
グルッペンは愉快そうに笑いながら言った。