【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ35)

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第32話ページ35

「(･･･これって、高度な闇魔法だったっけ･･･？)」
Aは驚く男子と教師を見て、自分で不思議そうに首を傾げる。
「(魔道書に書いてたの出来ただけなんだけど･･･中級のとかだったっけ･･･？
　･･･師匠、初級とか中級とか気にせずに見せてくれてたからなぁ･･･)」

　「･･･っ女のクセにいぃっ！！」
男子は怒って、Aから少し離れた所で両手の掌をAに向けて出す。
男子が力むと、男子の前に先程の数倍の竜巻が出現する。
「(少し威力が強まった･･･)」
Aは次の攻撃を防ぐ為に、短剣を構える。
　「せ、制御しなさい！幾ら得意魔法だからと言って威力を高めるのは！」
　「うるせえええ！！！」
　教師の制止を聞かず、男子はどんどん竜巻を大きくする。
「(？･･･まさか、暴走･･･？あの人、感情の制御が出来ないの･･･？)」
Aは人ぐらいの大きさになっている竜巻を見ながら、男子の状態を見ている。
「(･･･魔力も尽きそうになってる･･･？
　後に支障が出ない様にって先生から言われてるのに･･･？)」

　「あああああっ！！」
　男子は自分より大きくなった竜巻を、Aに向かって放った。
　「君！逃げなさいっ！！」
教師が大声で言うが、Aは短剣を構えて一歩も動かない。
　人の2倍程の大きさになった竜巻は、砂ぼこりを上げてAに向かってスピードを上げて進む。
　「防御魔法が間に合わないっ･･･！！」

「(･･･何を慌てているのか･･･)」

　Aは体勢を低くして、まるで刀を構えるかの様な体勢になる。

　スパァンッ＿＿＿

　「・・・は・・・？」

　大きい竜巻はAが見えない速さで通り過ぎると、先程と同じ様に真っ二つに分かれて消えた。
「･･･フゥッ･･･。」
　Aは短剣ではなく、打刀の形となった黒い剣を持っていた。
剣の砂ぼこりを払ってから、黒い渦を出現させてその中に入れる。
すると剣は渦と共に、消えて行った。

　「･･･嘘･･･だ、ろ･･･」
　パタンッ
　「！きゅ、救護班！！」
　Aと戦っていた男子が、気を失ってその場に倒れた。
審判をしていた教師はハッとして、急いで救護班を呼ぶ。
Aは竜巻と共に来ていた砂ぼこりを払いながら、対戦に勝った事を、言われないが理解する。
「(魔力の消費が激しかったから･･･あの人はこの後の対戦出来ないだろうな･･･)」
Aはそんな事を考えながら、運ばれていく男子を見た。