【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ34)

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第31話ページ34

教師に指示をされて、Aは次の対戦相手を探しに歩き出した。
「(･･･とりあえずは初戦だったし、同性の子を当てられたんだろうな･･･)」
Aは先程までの対戦を思い出しながら、考え事をしている。

　「ん？もう終わったのか！？」
「･･･はい･･･。」
　最初に案内してくれた教師と再度会い、その教師は驚いた様子でAに声を掛けた。
　「結果は？」
「勝ち、ました･･･。」
　「この短時間で勝つとは･･･それであれば、男とも戦えるかも知れないな。」
教師は顎に手を添えて、Aを見ながら考える。
　「･･･よし、次はあそこの男子と戦え。」
そう言って教師が指差したのは、暇そうに体育座りをしている男子だった。
「･･･はい･･･。」
教師の指示で、Aは次の対戦相手の元へと歩いた。

　「ん？何だ？」
　教師に指示されたAは、目的の男子の目の前まで来た。
男子は面倒そうに、Aを見上げて睨んでいる。
「･･･対戦相手にと、先生が･･･。」
　「ハ？俺とお前で？俺男なんだけど？」
「･･･はい･･･。」
Aが一言答えると、男子は溜め息を吐きながら面倒そうに立ち上がった。
　「女充てられるとか、舐めてんのか教師は･･･めんどくせぇ･･･。」

「･･･すみません･･･審判を、お願いします･･･。」
　「あ、はーい。」
Aは近くにいた教師に声を掛けて、審判になる教師に指示を仰いだ。
　教師が指示をし、男子とAは向かい合う。
　「それでは･･･始め！！」
教師の合図で、男子はAに向かって走り出した。

　ブワッ
「(風魔法･･･)」
　男子の周りに風が起こり、その風は小さい竜巻の様になる。
Aはすぐに男子の得意魔法を特定しつつ、黒い渦を作り出してその中に片手を入れる。
　Aが渦に入れた手をゆっくり抜くと、Aの手には黒い短剣が握られていた。
　「！？闇魔法からっ･･･！？」
男子は驚いたがすぐに真剣な表情に戻り、片手をAに向けて突き出す。
すると男子の片手で渦巻いていた小さな竜巻が、Aに向かって放たれた。
「･･･フゥ･･･」

　スパッ
　「！なっ･･･！？」
　Aが小さく息を吐いて、見えない速さで短剣を下から上へと、振り上げた。
すると、実態を持っていないはずの小さな竜巻が真っ二つに割れて、左右に落ちて地面に小さく穴を空けた。
地面に空いた穴を見ながら、男子も審判の教師も驚いていた。