【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ33)

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第30話ページ33

「じゃあこれから対戦を始めるねー。
　制限時間はないけど、後に響かない様に戦ってみてね。
　僕が止めたら止める事、以上！それじゃあ、スタート！！」

教師の指示で、女子とAとの戦闘が始まった。
　「行くよー！！」
　ニョキッ
走り出した女子の片手から、細い蔓の様なものが生える。
「(植物魔法･･･)」
Aは闇魔法で黒い渦の壁を作り出し、攻撃に備える。
　「えいっ！！」
女子が蔓が生えている掌を前に突き出すと、蔓が黒い渦の壁の横を通り過ぎる。
Aは片手を蔓が来る方向に出し、前に出したものと同じ黒い渦を出して、蔓を飲み込んだ。

　「あぶなっ！」
女子は持っていたナイフで、渦に飲み込まれる前に自力で蔓を切った。
　「やっぱ闇魔法厄介！チート！？」
「(弱点あるのに･･･)」
女子が少し怯えているのを見て、Aは冷静に心の中でそう言った。
　「得意魔法意味ないじゃん！」
女子はそう言って、接近戦に切り替えた。
Aはナイフが当たらない様に、女子の手首を押して攻撃を躱したり、後ろに下がって躱す。
女子は攻めても攻めても当たらない攻撃に、焦り始める。
　「何でッ！？何で掠りもしないの！？」
「(師匠に特訓して貰ったから、素人さんの攻撃は避けれるんです･･･)」
Aは心の中で謝りながら、女子の攻撃を躱し続ける。

　「ああもうっ！！」
　女子はついに他にも持っていたナイフ数本を、自らの身体から出した数本の蔓に持たせて、Aに攻撃を仕掛ける。
「(ヤケクソになった･･･)」

　フッ
　「＿＿＿へっ･･･？」
　Aは向かってくる攻撃を全て避け、女子の懐に潜り込む。
「･･･。」
　「ヒッ･･･！？」
Aは生気のない目で女子と目を合わせると、女子は怯えて動きが止まる。
Aは女子の動きが止まった隙に、女子の腕を押えてそのまま地面へ押し倒した。
　「いったぁ！？」
Aは女子を押し倒した状態で、もう動けない様に腕を押さえつけた。
女子は顔を顰めて、地面に倒れ込んでいる。

　「おしまい！！」
　審判をしていた教師が声をかけ、Aは女子から手を放して離れた。
　「いったぁ･･･強いぃ･･･！」
女子は涙目になりながら、ゆっくり起き上がった。
「(･･･早かったな･･･)」
Aは黒い渦を消しながら、ボーッとそんな事を考える。
　「結果はAさんの勝利！二人共お疲れ様！
　 Aさんは次の空いてる人のところに行ってね。」