【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ32)

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第29話ページ32

「次！」
　Aがボーッとしてる間に、一番前に来ていた。
「(･･･闇魔法･･･闇魔法･･･)」
Aは心の中で復唱しながら、教師の前に立つ。
　「名前は？」
「･･･A、です･･･。」
名前を訊いて、教師は名簿からAの名前を見つけて印を付ける。
　「じゃあ、少しでいいから得意魔法を使ってみてくれる？」
「はい･･･。」

　トプンッ＿
　Aが下に向けて片手をかざすと、Aの片手から黒い何かが液体の様に落ちて地面に黒く小さい渦を作り出した。
　「闇魔法･･･と･･･。」
教師はAの事を見てから、名簿にAの得意魔法を記入をした。
　「では、校舎側に行って其方側の先生の指示に従って。」
「はい･･･。」
Aは黒い渦を消して、教師に軽く頭を下げてから、指差された方へと歩いて行った。

　「ん？得意魔法確認は終わったか？」
「はい･･･。」
　対戦している様子を見守っていた教師に声をかけられて、Aは其方へ行く。
　「得意魔法は？」
「闇です･･･。」
　「闇か･･･それなら、あそこの生徒と対戦しろ。」
教師に指差されたのは、休憩をしている女子だった。
その女子は手が空いている教師と、談笑をしている。
　「この子と対戦させてください！」
A側の教師が、女子と談笑していた教師に声を掛ける。
声を掛けられた教師は頷き、Aを手招きした。
Aは声を掛けていた教師に軽く頭を下げて、女子と教師の方へ小走りした。

　「先生見ててね！？私連勝するから！」
　「あははっ、分かった分かった。」
「(もう仲良さそう･･･凄いなぁ･･･)」
　互いに笑い合っている女子と教師を見て、Aはボーッとそんな事を考える。
　「名前は？」
「･･･A、です･･･。」
　「よし、Aさん。得意魔法は？」
「闇です･･･。」
　「お、珍しい。」
　「え！闇魔法って、グルッペン様と一緒！？」
Aの得意魔法を聞いた教師が、少し目を丸くさせてAを見る。
女子は目を丸くさせて、興奮気味にAに訊ねる。
「(グルッペンさん･･･総統様と一緒なんだっけ、そう言えば･･･)」
Aは無表情のまま、興奮気味の女子を見ている。
　「Ｓランクのグルッペン様と一緒なんて凄いっ！更に張り切る！！」
　「無理して怪我はしないようにねー。」
　「はーいっ！」

　話が終わり、教師はAと女子に一定の距離を保たせて向かい合わせる。
そして少し離れた場所に立った。