【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ23)

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第20話ページ23

「あ、来た来た。おはよ～。」
　「･･･。」
　まだ生徒も教師も数人しか登校していないような時間。
　Aは学園への門まで来て、ビタッと立ち止まる。
人の邪魔にならない所から、鬱がにへらっと笑いながらAに手を振っている。
そんな鬱の横で、金髪の男はAを睨みながら無言で見ている。
「(温度差･･･)」
　Aは対応に差のある二人に、持っている鞄がずり落ちそうになった。

「(先輩にあたる人だろうし･･･挨拶はしないとな･･･)おはよう、ございます･･･。」
「ん、おはよぉ。ほら、シッマも。」
「･･･おぅ。」
Aの挨拶を聞いてから、鬱は金髪の男に声を掛ける。
金髪の男は顔を顰めながらも、彼なりの挨拶をAにした。
「(朝から声をかけられたけど･･･ただ挨拶されただけかな･･･)」
Aは数秒で結論づけて、鬱と金髪の男に軽く頭を下げてから横を通り過ぎようとした。
　「待て待て。」

　ぐいっ
「うえっ･･･。」
金髪の男にタートルネックを引っ張られ、Aは通り過ぎれなかった。
「(あれ･･･？挨拶だけじゃない･･･？)」
Aは自分が止められた事を不思議に思い、金髪の男を見る。
　「･･･うちのリーダーが呼んでるねん。行くなや。」
「･･･何で、ですか･･･？」
　「あ？お前が昨日逃げるからや。」
「(え、諦めてなかったのか、総統様･･･)」
金髪の男の話を聞いて、タートルネックを掴まれたままAは昨日の事を思い出す。
「シッマ･･･流石に服放してやりぃや。苦しいやろソレ。」
　「あ？･･･あー･･･。」
鬱に言われて、金髪の男はAの服から手を放した。
「(意外と優しい人･･･？)」
Aはそう思いながら、金髪の男を見上げる。
「そういやシッマ、Aちゃんに自己紹介した？」
　「する訳ないやろ。仲間や思っとらんからな。」
「グルちゃんが決定したんやから従わんと。」
　「ぐっ･･･。」
鬱に宥められて、金髪の男は顔を更に顰める。

　「･･･あー･･･コネシマや。あんま馴れ合わんからな、俺は。」
金髪の男コネシマは、頭を掻いて面倒そうにAに言った。
「(優しい人なんだろうなぁ･･･挨拶したくれたし･･･)
　A、です･･･。よろしく？お願い、します･･･。」
「よろしくせん言うたのに･･･。」
コネシマに言われて、Aは首を傾げた。