【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ20)

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第17話ページ20

「何でナイフ使っとんねんっ！！」
「あびゃっ！！」
　空き教室にいたトントンが、何時の間にかショッピの傍にいた。
ショッピはトントンに頭を叩かれ、頭を抑える。
ショッピが頭を叩かれたからか、Aが抜け出した煙の壁は空気に溶けて消えて行った。
「何するんすか～。」
「こっちのセリフや！新入生や言うとるねん！！すまんなAさん、怪我はないか？」
トントンはショッピの頭を上から抑えながら、Aに申し訳なさそうに訊ねる。
「(苦労人さん･･･)」
Aは頷いて、自分は大丈夫だと言う事を示す。
それを見て、トントンはホッとしていた。

「＿うちの総統様は何て？」
ショッピはトントンに頭を抑えられながら、トントンに訊ねる。
「何や、気に入ったらしいで･･･
　『俺と同じ"闇"が得意魔法とは！しかも戦えそうだしイイナ！！』って。」
そう話すトントンは、遠い目をする。
「(頑張れ書記長さん･･･ん？今･･･)」
Aはトントンの話を思い出し、トントンの方を見る。
「気に･･･い･･･？」
「ん？あ、せや。今からアイツ等来るらしいから待って貰ってもええ？」

「(･･･逃げなきゃ駄目だコレ)」
Aは嫌な予感がして、踵を返して走り出す。
「あ、逃げた。」
「ちょいちょいちょいっ。」

　ヒュオッ
「！」
トントンからAに向けて、冷気が放たれる。
　パキィンッ
「(あ、ヤバ･･･)」
冷気が来たすぐ後に地面から氷塊が伸びてきて、Aの膝から下が動かなくなってきた。
「逃げんでくれん？
　あの人･･･グルッペン、興味持った物は地の果てまでも追っかけるから。
　逃げても多分、追跡魔法とかで追っかけて来るで。」

　「と言うかもう来てるんだゾ！！」

「ぁ･･･。」
「絶望の声出されとんで。」
「む？」
目の前に現れたグルッペンの満面の笑みに、Aは思わず声を漏らす。
そんなAを見てトントンが言い、グルッペンは首を傾げる。
「何故絶望するのか分からないが･･･逆に喜んで欲しいんだゾ！
　俺はＳランクだし俺から勧誘されたと話が広がれば、君にとって悪い話じゃない筈だ！
　ショッピくんからの選択にも慌てずに判断して、
　抜け出す時に出した風魔法も、自分が通れる高さに絞って放つ技術！
　新入生なら、そよ風を出すか制御出来ず暴走するかだ。
　それを制御し、円状と言う簡単な形であれ形を決めて魔法を放った！
　いい才能だ、是非欲しい！！」
「語るな語るな！！」