【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ15)

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第12話ページ15

広場から消えたAとグルッペン達は、学園の空き教室に現れた。
「(教室に逆戻り･･･)」
Aは辺りを見回して、帰る手段を考え始める。
　「なー、腹減ったし先食べてええ？」
「ああ、いいぞ。」
グルッペンが緑パーカーの男に答えると、緑パーカーの男は嬉しそうにハンバーガーを食べ始めた。

「さて、此処には人は来ない。
　入学式が終わって、生徒も教師も明日に備えているから帰っている。
　いたとしても、実力者ぐらいだろう。」
「(実力者に知られたくない人なのですが･･･)」
先程よりも機嫌が良さそうなグルッペンに、Aは心の中でそう言う。
「訊きたい事は『どうして認識阻害魔法という高度な魔法を使えるのか』と、
　『何故そこまで話そうとしないのか』だな。
　答える気があるなら、他の事も訊くが。」
グルッペンが口角を上げながら、Aに訊ねる。

「(･･･答えるしかないのかなぁ･･･)」
Aはグルッペンの周りにいる、他の人達をチラリと見る。
自己紹介をしてくれた人達は、興味がありそうな目でAを見ている。
他の人達は不思議そうに見たり、警戒する様な目でAを見ている。
「･･･認識阻害魔法、は･･･育ての親に、教えて貰いました･･･。」
「育ての親？」
「はい･･･。」
「その育ての親は、貴族か王族か？」
「･･･知らない･･･です･･･。」
Aがそう答えると、グルッペンは首を傾げる。
「貴族辺りなら知ってても納得出来たが･･･。」
「多分貴族の子ではないでこの子。見た事ないもん。」
グルッペンの呟きに、オスマンが付け足す。
「貴族ではないのに知っているとは･･･。
　何処で知ったんだ？魔道書か？それとも口伝えか？」
「･･･育ての人に、魔道書で教えて貰いました･･･。」
Aが答えると、グルッペンは何かを考え始める。

「グルちゃん考えてるし、先に訊いてもいい？」
鬱にそう訊ねられて、Aは其方を見る。
「Aちゃん、口下手やからそんなに喋らへんの？」
「･･･はい･･･。」
「ふーん、そうなんやねぇ。」
鬱はAの答えを聞いて、ニコッと笑ってそう言った。
「(･･･会ったばかりだし･･･こう言っておけば、納得してくれるだろうなぁ･･･)」
「Aちゃん、この国の子？」
鬱に訊ねられ、Aは首を横に振る。
「じゃあ、近隣国？」
また訊ねられ、今度は小さく頷いた。