好きにさせてやる【煉獄杏寿郎】

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「確かにAは子供だな！しかし、年齢など些末な問題だ！俺は気にしてない。仮にAが年上だったとしても、必ず君を見つけだして恋をするだろう」


「どういうことですか？」と問うと、腕の力が緩んだ。そして、体を起こしながら「ここに座って」と促され、隣にそっと腰を下ろす。


「Aは、輪廻転生を信じるか？」


　輪廻転生……？
　私が首を傾げると、先生はふわりと笑った。


「どこかで聞いたことがあるだろう？人は死んだら、また新たな肉体に生まれ変わると……。不思議なことに、俺は前世の記憶があるんだ」


「はあ……」とまた首を傾げた私を見て、先生は腕を組みながら話を続けた。


「君は記憶がないようだが、前世で俺は、君と出会い一目で恋に落ちた。だが、以前の俺は武士道精神の塊のような男でな……女性にも疎かったから、君に何にも伝えられずに死を迎えてしまったんだ。無様すぎて笑ってしまうだろ？」


　前世で出会っていたなんて、そんな話信じられるはずがない……。

　私は膝の上できゅっと、スカートを握りしめた。



「──だからな、A。俺は前世の記憶を思い出した時に誓ったんだ。今世では絶対にAを手に入れると」


　その真剣な声に、胸がドキリと音を立てる。私は顔を上げて、横にいる先生を見た。炎のような熱い瞳が私を捉える。


「たとえそのやり方が、道理に反することだったとしても……」


　ゆっくりと顔が近づき、私は固く目を閉じた。

　やわらかい唇が私の唇を塞ぐ。今までのキスとは違い、優しく触れるようなそのキスは、私の鼓動をドキドキと激しく鳴らした。

　抗えたはずなのに、なぜだろうか……手や体が動かない。薄く目を開けば、先生の舌がすんなりと口内に入り、奥でびくっと震えている私の舌を捕まえた。


「…ふっ……んん……」


　息が苦しくなって先生の胸を軽く叩くと、
「鼻で呼吸するといい」と言われて、また深く口付けられる。

　先生の腕を掴みながら、そのままずるずるとソファに体が沈んでいく。
　
　唇が離れたとき、先生と目が合った。彼の大きな瞳はすごく綺麗で、吸い込まれそうだった。


「先生、私……」


──私は今、何を言おうとした？


「少しは好きになったか？A……」


　まっすぐ私を見つめる瞳。耐えきれなくなって、目を横に逸らした。


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