ハイ一方その頃 ページ29
透Side
あれから、母さんと共に千種さんたちの怪我もコッソリ晴の炎で治療し終えたのですが…
「さーって、この後どうすっかな〜？透〜、何か腹減らね？」
「あ…はい、多少は…」
横を歩いている母さんの言葉に頷きつつ、ふとある懸念が浮かび上がる
「とりあえず寝床確保しないとなー。並盛民宿だと炎真たちに万が一にも見つかったら面倒だし…どっかのホテルとか借りるべきかなー」
そしてその懸念は、ある意味とても今重要なことで
「あ、あの…母さん、伺いたいことが一つ…」
「うん？なんだ、透？」
私の杞憂だといいのですが…
「その…食事にしろホテルにしろ、母さんはお金を今所持していらっしゃいますか？」
私は、その…急いでいたので所持していないのですが…
ビシッ
恐る恐るそう尋ねると、母さんは表情どころか存在自体が彫刻になったかのように固まってしまいました
「……」
パタパタパタッ
そして一拍後、停止から一転してポケットを叩きますが、どう見ても財布を所持しているほどのふくらみはどこにもなく…
「……ゴメンナサイ透サン。忘レテキマシタ」
結局その結論に至ったらしい母さんは虚ろな声でそう宣言されました
「ぐああああっ！ごめん、マジごめん透！不甲斐なくてホンットごめん！！」
「いえ、お互い様ですし…」
過ぎたことを言っても仕方ありませんよ
それでは…
「では母さん、どこか野宿できるところを探しましょう？」
「イヤ駄目だ！透を野宿させるなんてとんでもない！！とりあえず幻術で誤魔化して…！」
すると母さんは何故かそう行ってきました
別に野宿は幼いころから慣れてますし…母さんは私に関しては本当に過保護ですね
でも、駄目ですよそれは
「母さん、それでは洋お爺さんや炎兄さんと同じです」
「うっぐふ！？」
常日頃から借金や無銭飲食はいけない事だと仰っているではありませんか
それなら、私の為に破らないで下さいね
「私なら一晩の野宿くらい平気ですから」
「うぅ…っ！マジごめん透苦労かける…！」
そうして母さんを説得した私は、今夜一晩野宿できる場所を探しに行くはずでした
はずでした
つまり、実際には行わなかったのです
何故かというと―――
「…そこの奥さんとお嬢ちゃん、なにかお困りかい？」
「ん？」
「まぁ…」
そう言って、親切に私たちに声を掛けてきた方がいたからです
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオイ(プロフ) - 雪月花 舞姫さん» あはは、それも面白そうですねwでもどうなるかは少々お待ち下さい♪ (2015年8月7日 7時) (
レス) id: d5e4d79b91 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - 次に遥と透が来て説明しても面白そうですね! (2015年8月6日 18時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - ロギさん» あはは、俺には画力がないから誰かかいてくれる神様見つけないとねｗ炎李くんメチャクチャ眠いからね、零す零す♪おお、ありがとう！そして確実に今月には終わらせるぜー！ (2015年8月6日 7時) (レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - RAMU☆さん» お久しぶりです！はい、久々に出しましたｗｗおお、空君も喜ぶことでしょう！ (2015年8月6日 7時) (レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - 二人のハイパーモードが見たくなる…っ!! そしてそして、炎がまたやらかす〜(笑) みんなの前で夜の炎!! 本当におもしろい(*`∀´*) この夏休みで次世代シリーズ読み直すか…骸クロから読み直すか!! アオイさんの作品好き過ぎてテンションあがってます← (2015年8月6日 1時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオイ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yumenusi202/
作成日時：2015年7月16日 23時
