黒橡 ページ7
黒兎Side
『君にはみずきの前ではちゃんと笑っててもらわないと困るんです』
『みずきは君がちゃんと笑っていないと笑わないんです。だから君にはどんな感情であろうとみずきの前ではちゃんと笑ってて貰わないと』
その言葉は、思いがけない相手から言われた思いがけない言葉で
でも、同時に
「…………そっ」
それはみずきの言葉じゃないのに……ほんの…ほんの少し、俺の心を軽くして
「そんなこと…!お前に言われなくても分かってるって言ってるだろ!!!」
「クフフ、そうでしたね」
でも、それを悟られると負けたような思いになりそうで
俺は慌ててそいつからそっぽを向いた
「まぁ君が笑ってみずきが笑ってくれれば、それ以上僕は君に何も望みませんよ」
「お前…」
絶対に…絶対に認めたくなくて…排除したいとしか思わなかった奴だけど……
少しはいいところもある奴なのかもし…
「それで少しでもみずきの意識があの男から逸れた隙に、僕はみずきの心を手に入れますからね!!」
「やっぱり即刻排除してやるこの変質者!!!!」
人の事利用しようとしか考えてなかった!!
こんな奴にぬるい対処しようとした自分の甘さがつくづく腹立つ!!
ﾋﾞｭﾋﾞｭｯ
手元に在った箸を瞬時に持ち替え、変質者へと投げる
「ちょ、危ないですよ君!!?」
「そのままくたばれ」
冷たく睥睨しながらどう始末しようかと考えていると
「ほぇ?クロちゃんたちどうしたの?凄く仲良しだね〜」
「やぁみずき。仲良くはないよ、全然」
みずきが笑顔でそんなことを言ってきた
勿論否定するけど
『少しでもみずきの意識があの男から逸れた隙に、僕はみずきの心を手に入れます』
……そうだな
ムカつく奴だけど、いい言葉を言ってくれた
「アッ、そうだ!ザン兄のこと紹介したいんだけどいい?」
「うん、俺も話したいなって思ってたんだ」
確かに今のままじゃ敵わない
きっとみずきが今一番大好きなのはこの人で、みずきを今一番ちゃんと守れるのもこの人で
「ザン兄ザン兄!あのね、この子が前話した私の親友のクロちゃんだよっ」
「…ぇと、初めまして。みずきの“大親友”の藤黒兎です」
「……」
だけど、いつかは
いつかはみずきを一番に守れるようになりたいから
親友としてでもいい
関係性なんて何でもいい
ただ、傍にいて君を……君の笑顔を守れれば―――
「……」
とりあえず目下の目標は、この人を超えることかな
そしていつか…一番にみずきを守れるように……諦めないで行こう
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アオイ(プロフ) - actさん» ありがとうごじあます！あ、はいその通りです！EDの「すべり台」を元ネタにしてます！ (2015年5月31日 8時) (
レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - レナさん» 案外、長期的に構える姿勢かもしれませんｗ (2015年5月31日 8時) (レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 令さん» そうですね、作者も売ってほしいですｗ (2015年5月31日 8時) (レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
act(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。この写真企画ってもしかしてアニメのエンディング(だったかな？)にちなんでます？あの、写真がいっぱい出てくる (2015年5月30日 20時) (レス) id: 8d5d47ef97 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - ザンザスも、もう「ザンザス」って呼ばすのあきらめてるし(ｹﾗｹﾗ (2015年5月30日 17時) (レス) id: 4fb655bc62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオイ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yumenusi202/
作成日時：2015年2月28日 23時
