スケッチ ページ1
初めてそいつを見たのは5年前
丁度ベルがヴァリアーに入隊した頃だった
そいつ―――みずきは、マフィアの世界に相応しくない人間だった
コロコロよく変わる表情
裏の人間を見て怯えるくせに、距離を置いたりしないお人好しさ
よく言えば明るい――悪く言えば甘い思考を持つ人間
そのころにはザンザスの計画を知ってもいたし、その為に動いてもいた
けれど、だからこそ当時は釈然としなかった
いくら守りたい存在があるからと言っても、何故ザンザスがボスではいけないのか
あの当時から今に至るまで、次期十代目にザンザスが相応しいと考えていたのは俺だけではない
たとえ血が繋がっていないとしても、ザンザスのボスとしての資質は突き抜けている
それは実際に沢田綱吉と対面してみても揺るがない考えだった
恐らく、それはヴァリアーのほかの幹部も大小の違いはあれ同じ思いを抱いていただろう
しかし、それでもザンザスが選ばれることはなかった
ボンゴレのボスとしての座は得られず
最近まで一般人として生きてきた血統だけが取り柄のガキに負けた
その場にいなく、何も知らなければ俺はザンザスに絶望し、見切りをつけていたかもしれない
けれど、あの時……しずりを一目でも見てしまえばそんなことは思えなかった
初代吹雪の守護者・しずり
過去の人間とはいえ、同じ“人間”という生物のはずなのに、見ているだけ…声を聞いてるだけで畏怖を覚えた
そんな感情はザンザス以外に抱いたことはなかった俺が、だ
そして明かされるザンザスとしずりの間の秘められた賭けの内容
沢田綱吉がボスとして認められなければ、みずきは乗っ取られる
それを聞いたとき、俺はようやくザンザスがどうしてここまで必死になっていたかを知れた
ザンザスがボスになる事がどれだけあってはならなかった事か
それは即ち、しずりの気に入らない事態として、真っ先にみずきが乗っ取られる筋道となっただろう
だからこそ、あのプライドの高いザンザスは事実を受け入れ、みずきを守るためだけに沢田綱吉をボスに仕立て上げるために計画を実行したのだと
まぁ、それもなんとか無事に乗り越えたからいいんだけどよぉ゛
何より、当のザンザスが現状に不満を抱いていないならば俺が口を出すことじゃねえしなぁ
だが……これから、アイツは微妙な立場でどうする気なんだぁ?
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオイ(プロフ) - actさん» ありがとうごじあます！あ、はいその通りです！EDの「すべり台」を元ネタにしてます！ (2015年5月31日 8時) (
レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - レナさん» 案外、長期的に構える姿勢かもしれませんｗ (2015年5月31日 8時) (レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 令さん» そうですね、作者も売ってほしいですｗ (2015年5月31日 8時) (レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
act(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。この写真企画ってもしかしてアニメのエンディング(だったかな？)にちなんでます？あの、写真がいっぱい出てくる (2015年5月30日 20時) (レス) id: 8d5d47ef97 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - ザンザスも、もう「ザンザス」って呼ばすのあきらめてるし(ｹﾗｹﾗ (2015年5月30日 17時) (レス) id: 4fb655bc62 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオイ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yumenusi202/
作成日時：2015年2月28日 23時
