miss8 ページ8
「Aさん、あれほど盗むなと叱ったのに、また私の毒を持ち去りましたね」
「…はい」
「毒?」
思わず音柱様が、蟲柱様に問いかける。
蟲柱様はコクっとうなずく。
「蝶屋敷に治療へ行くたびに私の試作の薬品や、鬼に用いる毒を持ち去っていくんです。
危ないですし、一歩間違えば人にだって害がある薬なんです。それなのに」
正座で蟲柱様の説教をひたすら聞く。
うう、足しびれる。
「聞いてますか」
「はい!!!」
そのまま、数時間も説教は続いた。
説教後はいつも思う。もう、蟲柱様は怒らせないようにしようと。
しかし、蝶屋敷に行くと、手が……勝手に。
「いい加減にしてくださいね」
「ごめんなさい」
笑顔が怖い。
…
…
天宮と胡蝶を残して、不死川と宇髄は部屋を出る。
「にしても、胡蝶相手に盗みとは。案外派手なやつだな、」
「学習しねェアホなんだよ」
「しかし、蝶屋敷はそれなりに人も多いし、盗みなんかやっても誰かに見られてんだろ。
胡蝶は何度も盗まれている口ぶりだったが、変じゃねえか」
「さあな」
「派手に説明しやがれ」
「簡単に言えば、あいつの前で気ィ抜いたら、刀が盗まれるってわけだァ」
「はあ!?」
「ま、そのうち分かんだろ」
「わかんねーよ!」
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作者名:No・2 | 作成日時:2021年4月20日 1時