番外編 クリスマス ページ18
・
世間はクリスマス。
当然、彼と過ごす予定だったのだが急遽仕事が入ってしまいい、そんな時間も無さそうである。少し楽しみにしていた彼女は残念ながらも、彼のことを優先し笑顔で送り出してくれた。しかし、彼は彼女のその優しさが痛い。寂しいなら寂しいと、一緒にいて欲しいと言って欲しかったのである。
そわそわした様子の彼を見かねて、プロデューサーが声をかけてくれた。素直に、彼女が待ってるから早く上がりたいなんて言えるわけもなく。ただクリスマスに浮かれている人という扱いになってしまった。それはそれでいい、実際に浮かれていることは確かなのだから。
「バレてんぞ〜」
「は、ハルナっち…！？」
「あと少しで終わるらしいから早く迎え行けよ？」
「シキばっかりずるいけど！」
「ハヤトっちまで！！」
ぐいっと彼の肩に手を回し、そう小さく呟いてきた二人。どうやらきをきかせて、どれくらいで仕事が終わるか聞いておいてくれたらしい。彼らの優しさに感謝をして、仕事を終えた。
事務所を勢いよく飛び出して、彼女に連絡を入れてみる。チャットなんかじゃなくて、声が聞きたくなり、その場で電話をかけてみる。驚いた様子で彼女が電話に出た。
「どうしたの？四季くん」
「仕事終わったんす！だから今からデートしよっす！」
「ええ？！何もしてないよ〜？！」
「準備するっすよ！」
バタバタと部屋を駆ける音が電話越しに聞こえてくる。彼女は、その電話越しに嬉しそうに笑っていた。自分のために、仕事を終わらせてやって来てくれることが、嬉しくて嬉しくて仕方がなかったのである。
暫くして、彼からのお迎えがやってきた。急ぐ必要は無かったのだが、彼の髪は少し崩れていて息も荒れていた。
「遅くなったっす…クリスマス、やっぱり一緒に過ごしたい」
「……うん、私も」
「俺が、AをハイパーメガMAX楽しませちゃうっすよ！」
そうにっこりと彼女の大好きな笑顔で告げた。
手を引くその姿は、まるで城からお姫様を連れ出すようで。
ぎゅっ、と繋がれた手の力が強くなる。好きな人と過ごせるクリスマスがこんなに嬉しいものだとは、去年までは考えられなかったことである。
どうやら、彼のおかげで今年はハイパー楽しいクリスマスになりそうである。
「メリークリスマス、A！大好き。」
優しくひとつ口付けが落とされた。
――
クリスマス過ぎてるよ！っていうのは
言わないでください……
皆さんは、素敵なクリスマスを過ごせましたでしょうか
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←あとがき
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
oliver sakura(プロフ) - 四季くんが可愛くて、とても楽しんで読ませていただきました！ (2018年12月27日 5時) (
レス) id: 10d3582e90 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - アニメ始まってからMマスには本当にはまってて・・・こんなすばらしいお話が見れて幸せです！次もがんばってください！楽しみにしてます！ (2017年12月11日 18時) (レス) id: fc580346b2 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - 初めまして、絢（アヤ）といいます! (2017年12月11日 18時) (レス) id: fc580346b2 (このIDを非表示/違反報告)
ままこ(プロフ) - 若葉松ガールさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえると本当に嬉しいです(；＿；)頑張ります！ (2017年12月7日 18時) (レス) id: dd2edfbc4c (このIDを非表示/違反報告)
若葉松ガール(プロフ) - 完結おめでとうございます！私も最近Mマスにハマりました！1番好きな四季くんの小説が見れてすごく嬉しかったです(*^^*)次の作品も楽しみに待ってます！！ (2017年12月1日 16時) (レス) id: 2308de6ede (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ままこ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月14日 20時
