検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:28,460 hit

ページ15



「Aは、どこか行きたいとことかないっすか?」

突然の質問に拍子抜けしてしまう彼女。その顔を見た彼が苦笑いをこぼす。しかし、彼女は「うーん」と腕を組んで考え始めた。

行きたいところ、と言われても彼女は彼と一緒に居れるだけで、満足なのである。彼の行きたいところならどこに行ったっていいと思うのだ。考えに考え抜き、彼女が口にした答えは。

「イルミ、イルミネーション見に行きたい」
「恋人って感じしていいっすね!」

特にそのことを意識したわけではないのだが、そう言われてしまうと無駄に考えてしまう。少しだけ体が熱い。すると、携帯の操作を始め、「カップルにおすすめ!イルミネーション特集」と書かれたサイトを彼女に見せた。

表参道、丸の内、六本木、と都内の各所の名前が並んでいる。どのスポットも綺麗なのだが、いまいち彼女にはピンと来ない。

「あっ、ここ行きたいかも」
「青の洞窟っすか?」

一面が青に染まっていて、夢の世界へ連れ込まれたかのように思わせられる。青色なら、目もそんなに痛くならないだろうと思った。

考えてみれば、世間はもうクリスマスである。
そんなことなどすっかり忘れていた。好きな人と過ごすことの出来るクリスマスは、今までとは違うのかもしれない。漫画の中で憧れていたことが、自分の身にも起きるのかと思うと、何だか嬉しくなって自然と笑みがこぼれる。

そんな彼女を見て、彼も嬉しそうに微笑むのであった。寒そうにコートで隠す手を取って、ぎゅっと握ってみる。驚きか、恥ずかしさか。一瞬にして彼女の顔は、林檎のように真っ赤に染まった。

「A、顔真っ赤!」
「う、うるさいっ!」

照れながらも繋いだ手を離そうとはせず、握り返してくれるその小さな手が愛おしい。

まだ、お別れしたくないから今日はちょっとだけ遠回りをして帰ってみようなんて、少しでも長く一緒に居たいって我儘。

「コンビニ寄って行こうっす!」

もうちょっと、もうちょっとだけ。
彼女との時間を作りたくて、口実を考えてしまうんだ。

▽→←▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
89人がお気に入り
設定タグ:アイドルマスターSideM , Mマス , 伊瀬谷四季   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

oliver sakura(プロフ) - 四季くんが可愛くて、とても楽しんで読ませていただきました! (2018年12月27日 5時) (レス) id: 10d3582e90 (このIDを非表示/違反報告)
- アニメ始まってからMマスには本当にはまってて・・・こんなすばらしいお話が見れて幸せです!次もがんばってください!楽しみにしてます! (2017年12月11日 18時) (レス) id: fc580346b2 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして、絢(アヤ)といいます! (2017年12月11日 18時) (レス) id: fc580346b2 (このIDを非表示/違反報告)
ままこ(プロフ) - 若葉松ガールさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると本当に嬉しいです(;_;)頑張ります! (2017年12月7日 18時) (レス) id: dd2edfbc4c (このIDを非表示/違反報告)
若葉松ガール(プロフ) - 完結おめでとうございます!私も最近Mマスにハマりました!1番好きな四季くんの小説が見れてすごく嬉しかったです(*^^*)次の作品も楽しみに待ってます!! (2017年12月1日 16時) (レス) id: 2308de6ede (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ままこ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年11月14日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。