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彼の言葉に、耳を疑った。

どんっ、と手に持っていたマイクがソファの上に落ちる。そんなことは絶対に有り得ない。彼が自分のことを好きだなんて、一度も考えたことが無かった。この想いは、自分勝手なものであって決して交わることないものであると。

目を泳がせて動揺する彼女にかける言葉が見つからない。ああ、駄目だったかもしれないなんてマイナス思考が頭の中を掻き乱す。沈黙が続いて、彼女が小さく声を出した。

「い、伊瀬谷くんは、凄くいい人で誰にでも優しくしてくれて、気が利いて、ちょっとぬけちゃってるとこもあるけど、それでも誰かのために一生懸命で」

俯きながら、ぽつりぽつりと彼女は、想いの丈を零してゆく。上手く言葉に出来なくて、当たり障りのない普遍的な言葉でしか表せない自分が、歯痒い。彼は、こんな言葉なんかじゃ表せないんだ。

「えっ、とだから、あの、その」

俯きながら、涙を流す彼女の顔が見ていられなかった。小さく震える肩に手を伸ばし、触れる。びくりと大きく跳ねた彼女は、ゆっくりと顔を上げた。

「ごめんっす」
「ち、違うっ、!!」

笑いながら謝る彼に、今度は自分が想いを伝える。
本当は、本当は嬉しくて泣いているんだって。


「わっ!私も、伊瀬谷くんのこと好きだよっ!」


再び沈黙が訪れる。刹那、ふわりと彼の香りに包まれた。ぎゅうっと抱きしめられ、少しばかり苦しい。甘酸っぱいような、まるで青春の香り、とでも言えるような彼の香り。

「Aっちも、俺のこと好きなんすよね?良かったぁぁ…」

嬉しそうに大好きな笑顔見せる。この笑顔が、何よりも好きで好きで、大好きなんだ。

「Aっち、ううん、A。」

いつもの愛称ではなく、普通に呼ばれた名前にどきりとする。つい、恥ずかしくなってそっぽを向いてしまった。「照れてるんすか〜?」って意地悪そうに笑う彼を、軽く叩く。

やられてばかりじゃ、納得がいかない。
赤くなった顔を向けて、しっかりと彼の目を捉える。

「四季、のこと大好き、っ」

真っ赤に染まっていく彼の顔は、何だか愛おしい、なんて。

お→←季



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設定タグ:アイドルマスターSideM , Mマス , 伊瀬谷四季   
作品ジャンル:恋愛
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oliver sakura(プロフ) - 四季くんが可愛くて、とても楽しんで読ませていただきました! (2018年12月27日 5時) (レス) id: 10d3582e90 (このIDを非表示/違反報告)
- アニメ始まってからMマスには本当にはまってて・・・こんなすばらしいお話が見れて幸せです!次もがんばってください!楽しみにしてます! (2017年12月11日 18時) (レス) id: fc580346b2 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして、絢(アヤ)といいます! (2017年12月11日 18時) (レス) id: fc580346b2 (このIDを非表示/違反報告)
ままこ(プロフ) - 若葉松ガールさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると本当に嬉しいです(;_;)頑張ります! (2017年12月7日 18時) (レス) id: dd2edfbc4c (このIDを非表示/違反報告)
若葉松ガール(プロフ) - 完結おめでとうございます!私も最近Mマスにハマりました!1番好きな四季くんの小説が見れてすごく嬉しかったです(*^^*)次の作品も楽しみに待ってます!! (2017年12月1日 16時) (レス) id: 2308de6ede (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ままこ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年11月14日 20時

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