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どれほどの時間が経っただろうか。
司はAの身体を離し、顔を覗き込むようにして額を付ける。
「____私は、お姉さまが大切です。
誰よりも護りたい、幸せにしたい。その気持ちは他の人にも負けていません」
「・・・うん、ごめんね」
あの人のことが、好きだから。
そう告げたAは心底苦しげで、それでいてとても魅力的だった。
しかしそれは、彼の気持ちを昂らせることにしかならなかった。
「司を利用してください」
そう言って甘美な蜜の跡が残る紅を啄んだ。呆然と佇むAを他所に、司は舌に伝わる甘味を貪ると、先刻彼女が吐ききれなかった花弁見つけを呑む。
それに気づいたAは抵抗を強め、司を押し返す。
「っ、何してるの!?そんなことしたら司くんも花を__」
「はい、私も花を吐くことになるのでしょうね。きっと貴女を想って。
___ふふ、ですがお姉さま。私も、貴女も、救われる方法があるとは思いませんか?」
その時、彼女はようやく彼の意図に気がついた。
叶わぬ恋に身を注ぐ自分と、そんな自分に恋をする彼。
そんな2人を救う方法、それは__
「っそんなの・・・ずるいよ司くん」
「申し訳ありません、ですが司はもう、お姉さまが苦しむところを見たくないのです」
彼の
彼らは
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作者名:合作 x他5人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年12月18日 22時