キミの同担拒否リアコ【うらたぬき】

〇11 ページ12

あなた さいど

｢疲れたぁ…｣

マ｢お疲れ様、もこ。今日は忙しかったものね…でもリハ、すっごく楽しそうだったじゃない。｣

｢…そう？リハはいつだって楽しいよ？だってもうすぐライブよ？楽しみにもなるでしょう？｣

マ｢まぁそうね…ほら、明日は久々の休みでしょ？早く帰って沢山休むためにも早くここ出るわよ。｣


そう、リハはいつだって楽しい。
もうすぐで私のファンの人達と会ったり同じ場所で一緒に楽しんで、声を出したりして…
それを考えるだけでも楽しいんだ。
それならリハなんてライブを想像してしまうから尚更楽しくなる。

でも、今日は特別なの。
古参の人と会ったんだもん。
認知なんてしてるかしてないかじゃなくて覚えてるだけ。印象に残った人とか、覚えちゃうじゃない。

オキニとかいうのも、いないんじゃないかな。
"この人だけ特別"なんてしたくない。

昔から私のファンでいてくれた人にはもちろん感謝している。

でも、私は昔とか今とかあんまり気にしない。
応援してくれている事には変わらない。
時期が早かったり遅かったりしただけ。

でも、わたるさん＿＿＿うらたさん、すっごく優しくて面白かったなぁ。

まさか浦島坂田船の緑の人だったなんて…。
きっと今日会ったもう一人の人は赤い人なんだろうなぁ。

彼の知り合いならきっと良い人だろうし、お友達になれるかもしれない。

でもやっぱりダメだ。
私は歌手、彼は歌い手というアイドルのようなものだけど本当は一般人。
きっと彼を傷つけてしまう。それは、だめ。


マ｢…今日は私が送らなくて大丈夫そうね。｣

｢え？電車で帰れって言うの？｣

マ｢はぁ…ほら、あそこ。｣

｢ぇ…？＿＿＿！！｣


私は思わず彼の元へ駆け寄り、抱きついた。

〇12→←〇10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す