俺から、お前へ。(3) ページ6
__もう一度、Aと会えるのなら……
「久しぶりにな、休みでも貰って、街にでも遊びに行こうや……身体の事も気遣って、あまり歩かずに行けるような場所がええよな………そう言えば、お前が行ってみたいって言っとった喫茶店、そこでもええかもしれんなぁ。
此処からあまり歩かんでもいい場所にあるやろ?
…だから、目ぇ覚ましてや………A…」
ただ眠っているだけにしか見えないAに話しかける。
きっと、目を覚ましてくれる。
そう信じて話を続けた。
「……その時にでもなぁ、お前の病気の事について…色々聞きたいと思っとったんやで……今更になってまうけど……詳しく聞いてな、どうにか治せる方法を見つけて、お前の病気、治してやりたかったんやで………」
いつの間にか、これからの希望の話から
自分自身の後悔の話へと変わっていた。
「ほんまに………病気を治して、また一緒に居たかった……なんで、俺はあの時お前に向かって怒鳴ってもうたんやろうな…………
お前はなにも悪くない……俺が、怒鳴ってしまった事が悪かったんや。だから、お前が後悔する必要はないんやで……」
ぽたり、ぽたりと目から透明な雫が零れ落ちる。
「何度でも謝る……今更謝ったって遅いかもしれへん………だけど、俺は何度でも謝るから………だから、お願いや……目を開けて、俺の名前を呼んでや………!!」
俺は涙でぐちゃぐちゃになってしまった顔を歪めて、Aの手をそっと握った。
Aの手は今までにないくらい、冷たかった。
あぁ……これが『死』なんやなぁ………
「ほんまにごめん……ごめんな…A…!!」
ただただ、彼女に謝り続ける事しか出来なかった。
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ryo0708(プロフ) - 気づいたら泣いてました。 めっちゃ良かったです！ (2019年10月5日 14時) (
レス) id: 783db2f82e (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 泣いてしまいました。応援します。 (2019年9月25日 10時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
めんま(プロフ) - わかさん» 確認が遅れてしまい申し訳ございません…そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます。 (2019年5月26日 0時) (レス) id: bdda4343e0 (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - なんだか勝手に涙が出てきました。いいものを読ませていただきました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: ebf216be6f (このIDを非表示/違反報告)
めんま(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。フラグを外すのを完璧に忘れておりました…今後気を付けていきます。 (2018年10月3日 19時) (レス) id: bdda4343e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めんま | 作成日時：2018年10月3日 14時
