第339夜 ページ6
「うぐぅ、ぐぇえっ」
『……』
父様の差し金と判明し少し理性が戻ってきたが完全に波から逃れられたという訳でもなく、僕は依然として男の首をギリギリと締めていた
このままだと死んでしまう
そう理性が叫ぶが、同時にどうしてもこのままトドメを刺してしまいたいとも考えていた
「に、逃げるぞ！」
他の奴らは仲間を置いて躓きながら去っていく
手首の折れた男が半べそをかいて逃げて行くのが滑稽だった
「ぉえっ、…っ…」
『(うーん、微妙な力加減だからか時間かかって余計苦しそうだなぁ)』
中々落ちない男を馬乗りの体勢のまま眺めた
いっその事気絶してくれたら少しは気が落ち着くと思うんだけど、参ったな
…仕方ない、殺っちゃうか
「っ、A…！」
ドラコの声が耳を通り過ぎていく
男の息の根を止めようと、力を加えた時だった
「
突如闇から放たれた魔法
咄嗟に僕は右手を差し出し、魔法を片手で受け止めた
『(…あと少しだったのに)』
ぼんやり頭の中で呟く
右手どころか全身が思うように動かない中、僕は最後に男子生徒の首を名残惜しげに撫でた
「何をしているのです！！」
叱責され振り返る
そこには息を乱したマクゴナガル先生と、僕に杖を向けたまま固まっているスネイプ先生がいた
「Mr.ヘルエレガル！今すぐその生徒から退きなさい！！」
厳しい顔で迫ってくる先生たちに、僕は仕方がないなと痺れが取れてきた右手をプラプラさせながら立ち上がった
ちらりと男を見やる。彼は既に気絶していた
それに知ってようやく衝動は収まっていった
「これは一体…！スネイプ先生、ヘルエレガルはちゃんと薬を服用しているのですか！？」
「…管理は滞りなく。1週間ほど前に飲んでいたのをこの目で見ましたぞ」
「まだ効果が切れるには早いではありませんか！
ではなぜこのような……」
そこで二人は言葉を切る
それから、まさかと驚愕した様子で僕に視線を向けてきた
『頼りすぎるとかえって効かなくなるのはよくある話だね。…ま、そういうことだよ』
深刻な面持ちで固まる先生らを置いて、僕は未だ床にへたり込むドラコに手を差し伸べた
『立てる？』
「ひっ」
けれど一部始終を見ていた彼はすっかり怯えており、僕の手は取られることなく宙を彷徨った
「来い」
『わっ』
強引に腕を捕まれる
それから僕はスネイプ先生に連れられて夜の地下牢へと進むのであった
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ぽか - 面白すぎてすぐ読んでしまいました！すごく面白いですし、主人公の病みが出てきてワクワクしてます！完結して欲しい・・・！更新無理せず頑張ってください！ (4月19日 17時) (
レス) @page34 id: 8fb0247eee (このIDを非表示/違反報告)
まど - 読んでて物凄くわくわくしました！言葉や展開の言い回しが素敵で、実際にある国などついつい調べて何時間も費やしてしまいました幸せです。是非完結していただきたい…！無理せず更新頑張ってください！ (1月9日 21時) (レス) @page34 id: 6fc7e82b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 凄く面白くて一日で見ました！！今から2週目見てきます！！！！更新頑張ってください！！！！ (12月24日 13時) (レス) @page34 id: 49fa55860c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - はぁぁ！最高です♡♡また更新してください♡待ってます！！！お体にお気をつけて！ (9月12日 21時) (レス) @page34 id: eb702a756c (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - お、面白すぎてイッキ見しちゃった……(ﾟωﾟ)お身体に気を付けて毎秒更新して下さいね！！！！ (9月12日 0時) (レス) @page34 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年12月17日 17時
