第353夜 ページ20
『……父様は何故僕を放置していると思う？』
固まる三人に向けて問いを重ねる
"どうして父はこんな僕を放っておくのか"
闇へと傅かせたいのではなかったのか、従順な下僕へと堕としたかったのではないのか
考えの読めない父の行動に、皆一度は首を捻ったことがあるのではないだろうか
でもその答えは単純だ
『その方が都合がいいんだよ。父様にとっても、あの人にとっても』
冷静に考えれば分かることなのに、優しさと慢心のせいで分からなくなっているだけ
『ねえ、ハリー』
目の前の少年を見つめた
コテンと首を傾げる
刹那
『＿＿＿なんで杖を抜かないの？』
「ぅグッ…！？」
ハリーが呻き声をあげた
首に手をかけ、彼の身体ごと本棚に無理やり押し付ける
それなりの太さがある彼の首を鷲掴むことはできないので、代わりに的確に頸動脈を押さえた
気道は確保してるから息はできる筈だ
「ハリー…！！」
「おい、何のつもりだよ！」
ロンとハーマイオニーが杖を抜き僕に向ける
「っ…！」
少し躊躇いながらもロンが僕に魔法を放った
避けた魔法は本棚に当たり、背後で書物が散らばる音が響く
それを見て、僕はようやくハリーの首から手を退かした
『みんなどうして慢心するんだろうねぇ
魔力汚染も"Aなら大丈夫だ"なんて根拠の無い自信を抱いてる』
蹲ってぜぇぜぇと肩で息をするハリーと、傍らで僕を睨み上げる2人から距離を取った
二人の手には杖が握られたままだ
『いつ堕ちても可笑しくない僕を、その根拠のない自信だけで野放しにしている
危険な芽は早々に潰せばいいのに、皆優しいから…』
父様はそこに目をつけた
『完全に堕ちたら僕は人を殺すよ、躊躇無くね
相手が誰だろうと、場所がどこであろうと居合わせた人間はとりあえず手にかける』
確信を持って答える
自分のことだからその辺はよく分かるのだ
『父様の狙いはホグワーツで僕が完全に堕ちること。堕ちて、未来の魔法使いを根絶やしにすること』
そのためにホグワーツにカエル女を派遣したんだろう
実際にアンブリッジのせいで着々と闇に呑まれかけていっている(因みに覚醒したら一番初めにアイツを殺すが、あの女はその辺気付いているのだろうか)
再度三人に視線を向ける
『だから僕には常に杖を向けているくらいが丁度いいよ』
もう、以前のAは居ないんだからさ
そう言って僕は三人に背を向けた
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ぽか - 面白すぎてすぐ読んでしまいました！すごく面白いですし、主人公の病みが出てきてワクワクしてます！完結して欲しい・・・！更新無理せず頑張ってください！ (4月19日 17時) (
レス) @page34 id: 8fb0247eee (このIDを非表示/違反報告)
まど - 読んでて物凄くわくわくしました！言葉や展開の言い回しが素敵で、実際にある国などついつい調べて何時間も費やしてしまいました幸せです。是非完結していただきたい…！無理せず更新頑張ってください！ (1月9日 21時) (レス) @page34 id: 6fc7e82b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 凄く面白くて一日で見ました！！今から2週目見てきます！！！！更新頑張ってください！！！！ (12月24日 13時) (レス) @page34 id: 49fa55860c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - はぁぁ！最高です♡♡また更新してください♡待ってます！！！お体にお気をつけて！ (9月12日 21時) (レス) @page34 id: eb702a756c (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - お、面白すぎてイッキ見しちゃった……(ﾟωﾟ)お身体に気を付けて毎秒更新して下さいね！！！！ (9月12日 0時) (レス) @page34 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年12月17日 17時
