第351夜 ページ18
どこか懐かしさを感じながら一通り読み終えると僕はページをぺらりと捲った
本の4分の1程度がヘルエレガル伝説
あとの残りは作者による考察がズラズラと書き並べられていた
…いや、そんなに考察することあったか、これ…
〔伝説の関連書籍と思われる"語り部の手記"第5章によれば、ヘルエレガルが眠りについたあとには一頭の黒い蝶が辺りを飛び回っていたと表記がある
神秘学によると黒い蝶は"死と再生"、または"復活"や"不滅"などといった意味を持ち、これはヘルエレガルの不死性を表しているのではと…＿＿＿＿＿〕
考察のページはあまり興味も湧かず、ぱらぱらと数ページ流し読みした後は本を静かに閉じた
『…はぁ』
おもむろにため息をこぼす
昔を懐かしみたくて始めたことなのに、過去と現在の現実の違いを思い知らされた気がして憂鬱になった
『(なんでこんなことになったかなぁ…厳しかったけど、昔はごく普通の家族だったのに)』
嘆いても仕方がないのは分かっている
両親は死喰い人、僕は駒。それが今の現実だ
もう一度人知れず息をこぼすと、僕は本を元の棚に戻すべく席を立った
「あっ…」
本を棚に差し戻していると、背後からしまったとでも言わんばかりの声が聞こえた
『やあ。試験勉強かな』
そう言って顔だけ振り返る
そこにはハリーとロン、ハーマイオニーのいつもの３人組が少し緊張した面持ちで突っ立っていた
『そう怖がらないでよ。クリスマスも一緒に過ごす仲なんだしさ』
肩を竦めて笑うと三人の肩がぴくりと揺れた
「貴方もあそこに戻るのね…」
『あぁ、残念なことに』
ハーマイオニーのつぶやきに頷いてみせる
「だけど、大丈夫なのか…？ほら君の父親の事だし、君を利用して場所の特定くらいやりそうだけど」
ロンのあけすけな言葉に僕は苦笑を零した
彼の不安もよく分かる
けれど父のことに関しては当たり前だけど僕の方が何倍も理解していた
『父様が本部の特定に力を入れるとは思わないなぁ…
あそこは出入りしている人が限られているし、そもそも常駐している人間が少ない
仮に強襲をかけたとして、本部にいたのが黒犬だけじゃコスパ悪いでしょ？』
その言葉にはハリーが分かりやすく眉を顰めた
僕は構わず続ける
『機密を抜きたいなら僕を利用するより適当な人間を潜入させた方が早いし確実
…まぁ何が言いたいかっていうと、父様にとって本部の特定なんてクソほどどうでもいいってことだよ』
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ぽか - 面白すぎてすぐ読んでしまいました！すごく面白いですし、主人公の病みが出てきてワクワクしてます！完結して欲しい・・・！更新無理せず頑張ってください！ (4月19日 17時) (
レス) @page34 id: 8fb0247eee (このIDを非表示/違反報告)
まど - 読んでて物凄くわくわくしました！言葉や展開の言い回しが素敵で、実際にある国などついつい調べて何時間も費やしてしまいました幸せです。是非完結していただきたい…！無理せず更新頑張ってください！ (1月9日 21時) (レス) @page34 id: 6fc7e82b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 凄く面白くて一日で見ました！！今から2週目見てきます！！！！更新頑張ってください！！！！ (12月24日 13時) (レス) @page34 id: 49fa55860c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - はぁぁ！最高です♡♡また更新してください♡待ってます！！！お体にお気をつけて！ (9月12日 21時) (レス) @page34 id: eb702a756c (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - お、面白すぎてイッキ見しちゃった……(ﾟωﾟ)お身体に気を付けて毎秒更新して下さいね！！！！ (9月12日 0時) (レス) @page34 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年12月17日 17時
