飛行術 ページ25
次の授業は何も持たなくていいとセブルスに言われ、疑問に持ちながら彼について行く。
確かにそれは正解だった。
集合場所には等間隔に置かれた箒。
…飛行術の授業だ。
「こんにちは、皆さん!」
元気に声を出しながら、集まっている俺達の元にやってくるフーチ先生に生徒のほとんどが挨拶を返す。
俺としては早く借りた本を読みたい気持ちで、セブルスは早くジェームズとシリウスから離れたいみたいで声が小さくなる。
それを聞き逃さないのがリリーなんだけど…彼女の方を見るとリリーはリーマスと仲良く話してて気がついてこちらに手を振ってくれる。
ああ、リリー、リーマスとも仲良くなったんだね。
リーマスはジェームズ達とは違って話しやすいのかな。
「一年生の皆さんには飛行術の授業がつきものです!このホグワーツから優秀なクディッチの選手が生まれるのを楽しみにしていますよ!」
にっこりと笑ったフーチ先生は自身も箒の横に立って手をかざすと始めると言わんばかりにと大きく息を吸って音を出した。
「あがれ!」
フーチ先生の横の箒が一直線に彼女の手元に上がる。そして、そのまま俺達の方を見る。
「これが基本の動作です。さあ皆さんもどうぞ」
箒の傍で生徒達が手をかざしながら、皆がおずおずと上がれ、と箒に命じだした。
と、同時に歓声。
ジェームズ、それに続いてシリウスとリリーが一発で箒が上がったのだ。
何回かは呼んでたが隣でセブルスも難無くと箒が上がる。
うん、弟としても友人としても誇らしいな。
俺も頑張ろう。
「上がれ」
俺の箒は他のみんなの様には答えてくれない。
まあ、一回ぐらいは反応しないのが普通だよな。
「…上がれ」
…反応はまだ出ない。
リーマスが上がったと喜んだ声が聞こえた。
よかったな、リーマス。俺まだダメだ。
「上がれ…!」
うんともすんとも言わない。
結構まだ上がってない子達もいるから気にしてはないが…こんなに上手くいかないのか?
「…上がれ!」
つい力の篭もった声が出た。だが箒は無事上がった。
でも、その柄は手の中ではなく、鈍い音とともに俺の頭に直撃したのだった。
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八神(プロフ) - ああさん» ……ああ!?本当ですね……修復が難しい流れなのでキャプション記載させていただきます。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月9日 22時) (レス) id: 5d49f427fa (このIDを非表示/違反報告)
ああ - あの、組分けの時って苗字順に呼ばれるじゃなかったですっけ? (2019年11月4日 11時) (レス) id: a72da57039 (このIDを非表示/違反報告)
LN - 楽しみにしてる、いい作品だね!こういうのハリポタだと珍しいから頑張って! (2019年5月27日 0時) (レス) id: 33cdc0490e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八神 | 作成日時:2018年12月21日 21時