そんなだから皆に愛されるんですよ 【冨岡義勇】

#2 おかえりなさい ページ5

『遅いな、義勇さん 』


いつもなら夕餉も湯浴みも済ませてしまう時間
任務が終わらないのか。義勇さんが帰って来る気配がない


『まぁ鬼は夜に活発になるし仕方ないかぁ 』


義勇さんは任務に出る時はどういう鬼か説明してから出ていくのだが、恐らくおおよその帰る時間と鬼の強さとを示して心配させないようにと

そんな所まで彼は優しいのだ





『鮭大根冷めちゃうかも。
…冷めても美味しいって食べてくれそうだけど 』


任務帰りの日は決まって鮭大根
彼の大好物であり、私の得意料理









色々もんもんと考えたけれど

つまるところ





『 寂しくなってきた』



いや仕方ないじゃないか
誰だって大好きな人がそばにいてくれないと
寂しくなるものだし。え、そうだよね？





『うわぁぁぁぁぁぁ
寂しすぎて床にのめり込みそうぅぅぅ 』









｢それは困るな｣






『 あっ義勇さん！』



｢あぁ｣



いつからいたんだろうか




『鮭大根できてます！
あと食べてる間に湯の準備しちゃいますね』



｢…その前に｣






『 あっそうか』







バッと手を広げる




｢…疲れた｣



飛び込んでくる義勇さん



『よしよし…お疲れ様です 』



それを受け止める私

これがいつもの日課であり幸せな瞬間






『あ、言い忘れてた。おかえりなさい義勇さん 』


｢そうだな。ただいまA｣



仕事終わりの彼はいつも以上に、甘えたさん。









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