ユメ喰ラエ【そらる】

た ページ6

そらるがお風呂に行ってから40分くらいたった。人間じゃないから単純に比較は出来ないけど、それにしたって長すぎないか。

別に覗き魔になりたい訳じゃないけど、お風呂で倒れていたら困る。

……何が困るんだろう？

「そらる〜生きてる〜？」

「生きてるよ変態」

「……そっか。良かった！」

何も良くないめっちゃビックリした背後に立たないで。

そらるはお風呂に入る時と変わらない黒ずくめの格好と対照的な、パステルカラーのワンピースを持っていた。

「それそらるが着るの？」

「Aが着るの」

「え？」

私が買わないタイプの可愛らしい、暖かそうなパジャマ。

……私の為に作ってくれたの？

「着替えるからちょっとどっか行ってて」

「え？ なんで？」

「なんでも！！」

ちょっと嬉しかったのに、今ので台無しだよ。

そらるがどこかに行った事を確認して服を脱ぐ。そして、ワンピースに腕を通す。

「……あったかい」

丁度いいサイズのもっこもこに包まれて、湯冷めした体が温まる。でも、それ以外に温かい理由がある気がした。

『ちょっと』じゃなかったな。

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