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顕｢でもA、七五三掛先輩に会って変わったんだな｣
少しの沈黙を破ったのは顕嵐だった。
顕｢この間久しぶりに会った時、まじでこの世の終わりみたいな顔してたのに
ちょっと柔らかくなった気がする｣
『私そんなに酷い顔してた？』
顕｢声掛けづらいくらいね(笑)
あの人、いい人でよかったじゃん。｣
『うん、本当に。』
本当に、あの時拾われたのが龍也でよかった。
龍也と出会って、
記憶の奥底に押し込んでいたいろんな感情が現れて
私なんかでも、必要としてくれてる人がいることに気づいた。
顕｢好きなの？あの人のこと｣
『えっ、？』
顕｢ぶっ、お前わかりやすすぎ(笑)
そういうとこだけ表情豊かなんだな｣
『別に、そんなんじゃないって…』
好き。
私は龍也が好き。
好きで好きで、好き。
それでも引っかかる後ろめたさも拭えてはいなかった。
顕｢前に進みなよ、もうさ。
俺も進むから｣
『顕嵐も、進めてなかったの？』
顕｢まぁね。｣
どういう意味か聞こうとした所で、
騒がしい二人が戻ってきた。
顕｢あ、宮近とながつ、こいつ下まで送ってやって｣
海｢ん、その必要はない｣
二人に促されて、顔を出す龍也。
怜央と並ぶとちっちゃいな、なんて言ったら怒るだろう。
私と龍也が病室を出たあと、
怜｢いいの？あんなこと言って｣
顕｢何が？｣
海｢Aのこと、あの人に渡していいの？｣
顕｢なんだよ、、｣
海｢俺らだいぶ前から気づいてたけどな！(笑)｣
怜｢で、いいの？｣
顕｢まだ完全に諦めたわけじゃねーよ｣
こんな会話がされていたこと
私達は知らない。
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作者名：きらり | 作成日時：2017年12月29日 19時
