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∴32__海斗side
すっげえ音がしてその方を向くと、
ぶっ壊れてる入口。
と、そこに見える二つの人影。
身長差がやばい、、って思うより先に
鳥肌が立った。
美｢永瀬、俺らもさすがにこれは黙ってねえよ？｣
背の高い方が喋る。
穏やかな口調だけど、語気は強かった。
本能的に、シメカケミュート改め、
七五三掛龍也と森田美勇人だと察する。
山手の奴らは一気に震え上がって、後ずさった。
どっちがシメカケでミュートかわからないけど
背の低い方が永瀬に近づく。
1発だった。
しかも見えないくらいのスピード。
乾いた音がして永瀬がしゃがみ込む。
龍｢お前、誰の女に手出したかわかってんの？｣
色白で、喧嘩なんて縁のなさそうな顔なのに
その拳も、声も
初対面でも逆らったらやばい人ってわかった。
廉｢卒業したくせに、口出すんですね。先輩。｣
美｢ここまで山手の名汚されて放っておけっかよ。
おいお前大丈夫か？｣
自嘲気味に笑う永瀬をよそに、
背の高い方は顕嵐の肩を支える。
背の低い方が永瀬を殴った以外は
一切手は出してない。
それなのに、場の空気が凍って、
強い人
って一瞬でわからせる感じが
たまらなくかっこよかった。
赤塚のどの歴代のトップたちよりも
かっこよく見えた。
なんて口が裂けても言えないけど。
廉｢全ての元凶は、この女や……
七五三掛先輩、この女は、先輩が思ってるようなやつちゃう。｣
地面を見つめて、ポツポツと言葉をつなぐ永瀬。
廉｢なぁAちゃん？
この、人殺し。｣
Aの瞳がぐらつくのが、
少し離れたところからでもわかった。
頼む、永瀬。
それ以上言うな。
→
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作者名：きらり | 作成日時：2017年12月29日 19時
