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∴16__顕嵐side
顕｢なぁ昨日、Aに会ったよ｣
怜｢マジ？！元気にしてた？｣
顕｢元気そうではなかった｣
海｢なかったのかよ(笑)｣
朝から教室なんかには入らず、
俺らのたまり場になってる空き教室。
ちょっと前まではここにAもいて。
毎日だらだらしてた。
顕｢なんか死んだような顔してた｣
海｢まぁ俺らも、Aが居なくなってから
生活に張りがないよね｣
怜｢俺ら初めて会った時みたいになっちゃわなといいけど｣
高校入ってすぐ出会ったあの時のAは、
ほんとになんかもう一匹狼って感じで
誰ともつるまない、誰も近づいてくんな
みたいなオーラがすっごかった。
でも、同い年に見えないくらい整った顔とか
強くて近寄り難い中にある儚げな雰囲気とか
もはや本能的に近づいてた。
思ったより仲良くなれて、
一緒にいろいろ悪いこともしたし。
いい友達だって思ってる。
海｢これからビリヤードいかね？｣
怜｢いいね！｣
まだ学校来てから2時間くらいしか経ってないんですけど。
真っ昼間の街中を制服着崩した男が
三人固まって歩いてたらかなり目立つ。
そんなの気にしないのが不良なんだけどさ。
｢あれ〜〜〜赤塚の阿部顕嵐？｣
絡まれたのは、山手高校の今のトップ
永瀬廉だった。
一歩後ろに神宮寺ってやつもいる。
顕｢永瀬、｣
廉｢なんや宮近くんと長妻くんもおるんや、好都合やな。
俺らとちょっと遊ばない？｣
喧嘩は嫌いじゃない。
運動になるし、勝ったら嬉しいし
ある種の自己表現のような、そんな感覚。
でも理由もなく人を殴る趣味はなくて。
廉｢赤塚も今はたいしたことないんやな、
ジン、行こ。｣
俺たちは離れていく背中を睨みつけるだけだった。
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作者名：きらり | 作成日時：2017年12月29日 19時
