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「お前…心臓に悪すぎ…」
真っ暗闇の中で上から降り注いでくるのは心臓に悪すぎという言葉。
心臓に悪いのはこっちなんですけど……!
「離してほしいなー…なんつって」
「離れる…離れるけど…ちょっと待て」
そのままあたしをきつく抱きしめる倖夜。
それに流されるように抱きつくあたし。
ピーヒョロローと呑気に鷹が飛んでいく。
綿菓みたいにふわふわしている雲がのんびりと過ぎていく。
あれ?長くね?
「倖夜ー?倖夜ー?」
恐る恐る声をかけたあたしの激しく体操をしている心臓の鼓動を知ってるのか知らないでか倖夜はそっとあたしから離れた。
「よし…んじゃぁ行くか」
「どこに?」
「お前の嫌いなとこってどこ?」
「あたしの嫌いなとこ……嫌いな…とこ…ねぇ…」
言っちゃいけない気がする。
あたしの動物的野生の勘が言ってる気がする。
《今言ったらどうなるか分からないから止めておきなよ!》
《いいや、そこはご主人様に言って存分にいじられるべきだろ》
《いやいや、寧ろ倖夜なんかほっておいて今からでも遅くねえ。早苗の邪魔をしに行こーぜ》
《ぇー…めんどぃしー。無視しちゃぃなょぉー》
《うるせーよ。A4号…可愛子ぶってんじゃねーぞ。つーかさ、言えに帰ろうぜ》
《倖夜の嫌な場所を聞き出してそこに連れて行こうよ!!で、愉しもうよ!!》
6人6色の意見…誰を尊重したらいいんだろう…
「Aちゃん2号の意見はごもっともだよね…Aちゃん3号の意見はありえないし…」
「お前…何言ってんだ」
「Aちゃん3号の意見はすっごい楽しそう…Aちゃん4号の意見はどうでもよくて…」
「おい、聞いてんのか?つーか、耳壊れてんじゃねーだろうな」
「Aちゃん5号の意見にもけっこういいよね…Aちゃん6号の意見は後が怖いから止めておこう」
「…あの…匿名希望でよろしくお願いします。
実は…今、僕の隣にいる女性が壊れちゃって…壊れっぷりが伝染りそうで怖いんですけど……」
「ちょっと待ったああ!!」
あたしが脳内会議を開いている間に倖夜は真剣な顔つきでお悩み相談センターっぽいとこに電話していた。
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夢叶(プロフ) - ざわちゅうさん» ありがとうございます(´∀`*)お名前と同じですねww…ざわちゅうって言葉出してましたか?(^_^;) (2012年7月23日 23時) (携帯から) (レス) id: fccec6d73b (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - ふうみきさん» えっ、お上手だとか…てれr(( ケータイ小説ハマってるんでその影響出てるかもしれないです^^;でも、褒めていただきありがとうございます!! (2012年3月29日 18時) (レス) id: b5f5af4019 (このIDを非表示/違反報告)
ふうみき - 小説を書くのがお上手なんですね〜プロの携帯小説みたいです** (2012年3月29日 9時) (レス) id: 0c659a6204 (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - ぺどう沢さん» そんな人がいるなんてうらやまs((キュンキュンしていただきありがとうございます^^ (2012年3月28日 22時) (携帯から) (レス) id: fccec6d73b (このIDを非表示/違反報告)
ぺどう沢(プロフ) - 好きな人の性格に似てたところがびっくりしましたwww何か・・・キュンキュンきちゃいました/// (2012年3月26日 15時) (レス) id: 5e2d8de545 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢叶 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kagurakamuisougo/
作成日時:2012年2月26日 0時