34 ページ38
バタンと閉じた扉の向こうにAが消えていった。
せっかくの文化祭だし少しぐらいはあいつの希望を叶えてやろうと思っていたけれど、お化け屋敷となれば話は別になる。
わざわざ意図的に驚かせようとする悪趣味な空間になんで俺が入らねぇといけねーんだ。
怖いとかそういうのではなくて、俺が驚かすんじゃなくて俺が驚かされるのが好まない。
とはいえ、さみしそうな目をして消えていったAに罪悪感が覚えないわけではない。
Aもなんだかんだで順応が早いから今頃小野なんて名前の女子と楽しんでいるのかもしれない。俺ではない奴と。
「……くそっ」
例のお化け屋敷の教室の前の廊下で腕を組みドアを睨む俺を何事かと言わんばかりの顔で他の生徒が通り過ぎていく。
こうやって後悔するなら一緒に入ってやればよかった。
そう思った瞬間、出口側のドアが勢い良く開いて何かが廊下に転がり出た。
「……首?なんで首が?」
謎を口に出したとき、誰かが飛び出てきた。
「許せない!!! 私のAきゅんを泣かせるなんてあなた何様なの!? こんなもの潰してやる!!」
「ちょっと! 落ち着いてください!! 他の生徒に迷惑だから!」
「迷惑!?あなたAきゅんの涙を見てもなにも思わないわけ!?
あんなAきゅんに興奮しないの!?」
青ざめて息苦しそうにしている男子生徒の襟首をつかみながら正常とは思えないことを当然のように言う小野のそばにAはいない。
「小野。Aはどうしたんだよ」
「……あああ!! 私としたことがAきゅんを……!!」
「あいつはまだ教室の中ってことか?泣いているのにか?」
Aが泣いている……?
なにも考えが浮かばなかった。
ただ、足が勝手に教室内に入っていた。
ラッキーアイテム
革ベルト
138人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリア - 私激ハマリしてます!更新頑張ってください! (2018年5月28日 19時) (レス) id: 97c05e3e55 (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - 咲月 *さん» お久しぶりです!そのちょっとだけの時に読んでもらえて嬉しいです!言葉通りゆっくりとですが更新し続けるのでよろしくです( ̄∇ ̄*)ゞ (2014年12月15日 12時) (レス) id: 42f54dee88 (このIDを非表示/違反報告)
咲月 *(プロフ) - おおおう!?黙 ちょっとだけ久々に来てみたら! 新しく更新されてる!!!← 夢叶さんお久しぶりですっ( ^o^)Гチンッ 次の更新、楽しみに楽しみに待ってますn((( (2014年9月16日 17時) (携帯から) (レス) id: 7548918c6c (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - この作品とっても面白いです!!今日、1から全部見てきました。更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2014年3月28日 15時) (レス) id: e08c48402a (このIDを非表示/違反報告)
∞プリン ∞ - 更新楽しみにしてます!頑張って下さい。 (2014年3月21日 22時) (レス) id: 2134f5ebeb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢叶 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kagurakamuisougo/
作成日時:2012年7月14日 15時