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「へぇー。星原先生がねー。ドンマイ」
朝から嘆くあたしを冷たくあしらう早苗には血も涙も無いらしい。さすがは鬼の子。
「今、あたしを貶したでしょ。謝れ」
「貶してなんかないお」
「謝れ」
「……すいません」
昨日からあたしは謝ってばかりな気がする。いや、絶対にそうだ。
こういう日に限って、いい事は起きないんだよ。
例えば、雨が突然降ってきてあたしだけ傘持ってないとか。
「あら、雨降ってきたみたいよ。土砂降りね」
「よかったー。わたし、今日は傘持ってきてるんだよ〜」
「え、嘘でしょ」
「私も持ってきてるよ。母さんが持って行きなさいってうるさかったからだけお、よかったー」
急いで窓を開けて、手を空の下に差し出すとビシャビシャになったあたしの右手。
タオルで拭きながら空を見上げるけど……。
「真っ黒だね」
「まっくろくろすけでっておいでー。でないと目玉をほじくるぞー」
「ゆきもしかして、近くのトトロ観た?」
「うん! あの映画面白いよね!」
糞ぅ!!あたしにはこんな会話に混ざれない!!
だってね、アレですもの。
「ぎゃぁぁああああ!!ハチっハチっ!!」
「星原お前ハチぐらいでうるせーよ。しかもそれミツバチだろ。刺されても死なねーよ」
どういう経緯でかしら教室に入ってきたハチに目をつけられてますから。
追いかけられてますから。あたしだけ集中狙いってか。とりあえずは走るべし!
「Aどこ行くの!?もう、ST始まるよ!!」
れ 、?
早苗の声を背中に聞きながらあたしは全力疾走で走る。
耳元でブンブン聞こえててすごく怖い。刺されんのだけは勘弁してほしい。
何回か階段を降りて上がってを繰り返した時だった。
「Aきゅん!!こっちだ!!」
「うぎゃあっ!!」
「みんな! ハチを駆除しなさい!!」
「イェッサー!!」
いきなり二の腕を掴まれてあたしは誰かの胸にダイブした。
柔らかい胸が羨ましい。
ていうか、呼吸できない。
「Aきゅん大丈夫だった?ハチは駆除したから、もう大丈夫よ」
顔を上げると、あたしに笑いかけるリーダーさんがいた。
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革ベルト
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リリア - 私激ハマリしてます!更新頑張ってください! (2018年5月28日 19時) (レス) id: 97c05e3e55 (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - 咲月 *さん» お久しぶりです!そのちょっとだけの時に読んでもらえて嬉しいです!言葉通りゆっくりとですが更新し続けるのでよろしくです( ̄∇ ̄*)ゞ (2014年12月15日 12時) (レス) id: 42f54dee88 (このIDを非表示/違反報告)
咲月 *(プロフ) - おおおう!?黙 ちょっとだけ久々に来てみたら! 新しく更新されてる!!!← 夢叶さんお久しぶりですっ( ^o^)Гチンッ 次の更新、楽しみに楽しみに待ってますn((( (2014年9月16日 17時) (携帯から) (レス) id: 7548918c6c (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - この作品とっても面白いです!!今日、1から全部見てきました。更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2014年3月28日 15時) (レス) id: e08c48402a (このIDを非表示/違反報告)
∞プリン ∞ - 更新楽しみにしてます!頑張って下さい。 (2014年3月21日 22時) (レス) id: 2134f5ebeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢叶 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kagurakamuisougo/
作成日時:2012年7月14日 15時