今日のわんこ 115号 ページ39
その風景、匂い、死体や臓器を扱う際に発生する音に連れてどんどん気分が悪くなっていくA。
何度見ても慣れないこの光景にどんどん顔が青白くなっていくAに歪は研究で夢中になっている所長の目から盗んで耳打ちをする。
歪「Aさん、もし気分が優れないようでしたら外で待っててもいいですよ?」
とても辛そうにしているAはその言葉に甘えず、軽く首を振ってから「大丈夫…ありがと…。」と短く返す。
歪「…。(大丈夫かな…。)」
それから数十分が経ち、ようやく実験台として終わった肉の塊の断捨離が完了する。
所長「うん!もうそれらいらないからお願いねー!」
そう言って所長は床に転がして置いてある臓器たちの元へ戻っておままごとを再開させた。
そのときには既にAは動く気力すらあまり残っておらず、呆然としたまま終わるのを待っていた。
まだ終わったことにすら気づいていないAに歪は優しく肩を叩いて部屋を出ることを勧める。
歪「Aさん、終わりましたよ。部屋から出ましょう。」
A「…え……?あ…うん…。」
Aは持っているバケツごと体をユラユラさせながら隊長室を後にする。
歪もそんなAを心配しながら背後に続くと、「歪くーん!」と所長から呼ばれた声がしてその場で振り向く。
所長「明後日よろしくねー。」
そう言って血まみれになった両手をヒラヒラさせながら満面の笑みで言う所長に歪はその場で深く一礼をして「はい」とだけ答えて隊長室から後にした。
バタン…
所長「………。」
歪はドアの近くでバケツから手を離してしゃがみこんでいるAに寄り添い、背中を擦る。
歪「大丈夫ですか?Aさん…。」
A「ごめん…そんなに…。」
歪「(きっとAさんは何度見ても死体とか慣れないタイプなんだな…。このあと、ダストシュートにまで運んでスイッチも押すとなると……。)Aさん、あとは僕がやっておくので先に休んでてください。」
優しくそう声をかけるが、案の定Aは無理やり笑顔を作って平気そうにする。
A「平気だよ…。そこまで歪にやらせるわけにはいかないから…。」
歪「でも…。……じゃあAさんは溜まったごみ袋を置いてきてくれませんか?僕は鬼たちを片付けますので」
何とかAに採用してくれそうな提案をあげて様子を見る。
Aはそれでもまだ葛藤しているようだったが、流石にこればっかりはダメだと判断したのかゆっくりと頷いた。
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カギ(プロフ) - ジョーカーさん» 応援コメントありがとうございます(о´∀`о)まだ頭の中で流れを作り出してる最中ですが、皆さんが知ってる原作と少し違う世界が味わえたらなと思います。ご期待ください…!! (3月31日 9時) (レス) id: 0f9522b1c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジョーカー(プロフ) - めちゃめちゃ続きが気になる終わり方!あと、4になったら本編って書いてあってそれも楽しみ!でも、小説書くの大変だと思うのでゆっくりで大丈夫です☺️頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (3月31日 9時) (レス) @page40 id: d4c44e022b (このIDを非表示/違反報告)
カギ(プロフ) - ジョーカーさん» ありがとうございます!!もっと皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります(*`・ω・)ゞ (2月26日 7時) (レス) id: 0f9522b1c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジョーカー(プロフ) - 祝100話!!おめでとうございます🎊🎉これからも頑張ってください!応援してます!! (2月25日 21時) (レス) @page17 id: d4c44e022b (このIDを非表示/違反報告)
カギ(プロフ) - ジョーカーさん» そこまで言ってくれるとは…!!(///∇///)これからもまだまだ続きます!! (2月2日 6時) (レス) id: 0f9522b1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カギ | 作者ホームページ:http://kogakogaminemine1321%45
作成日時:2024年1月28日 21時