今日の歪 2

今日のわんこ　86号 ページ47

岼「うーん…最近、肌が乾燥しちゃって嫌ね…。」

岼はキッチンで軽食を貰いに向かっていた。

岼は唇も軽くチェックしてポケットからリップクリームを取り出す。

岼「もう今日だけで何回塗ってるか分かんなくなるわ…。」

目の前の自動ドアをくぐると、キッチンに到着する。

岼「A〜…。私の野菜スティック…。」

A「はい。以前お願いしていたものですよね。」

岼「……。」

岼はAの顔をじっと見ては黙り込む。

岼「…。(まさか…いや…流石にこの子でも…。)」

A「？岼さん？」

Aは岼の野菜スティックを用意して彼女の様子に首をかしげる。

岼はAの目の前まで来ると、Aにボソリと呟く。

岼「マスク取りなさい。」

A「え…？はい…。」

Aは恐る恐るマスクを下にズラす。

Aの唇を見て岼は少しばかり怒りを露にする。

岼「なんで塗ってないのよ！！」

A「え、何を…岼「リップクリーム！！」

岼はまたリップクリームを取り出しては直でAの唇に塗りたくる。

A「んーんー！！」

岼「あなたならそのくらいちゃんとしてると思ってた私がバカだったわ！あ！皮も剥いてるじゃない！なんてことしてるのよ！！」

A「な、なんで怒って…岼「あなたのその美容無関心さに腹立ててるのよ！」

Aの唇を塗り終わってようやく岼の襲撃から抜け出す。

A「うわ…ベタベタする。」

唇の不愉快さにAは顔をしかめるが、それ以上に岼が言う。

岼「我慢しなさい！我慢！全く…私よりも良いテクニック持ってるのにもったいないことするんじゃないわよ。」

A「？なんの話です？それ」

それからAは岼にもう１つのリップクリームを貰った。

岼「一日に一回、抜き打ちで見に来るから覚悟しなさい！」

A「もうそれ、抜き打ちって言いませんよ…(・・;)」

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