今日の歪 2

今日のわんこ　65号 ページ22

ベットから落ちたのが原因で頭に巻いていた包帯は血でにじみすぎてまた新しく取り替えてもらった。

その間にまた全員が集まり、話し合いをしていた。

真二「Aさんのご飯はもうキッチンの奴らにお願いしといた。」

真一「あぁ、ありがとう。」

岼「全く…頼りなさいって言った傍から…。」

A「すみません…。意識も途切れ途切れだったので…」

歪「じゃあ顔は見えなかった感じですか？」

A「うん…。逃がしちゃダメだと思って強めに掴んだんだけど、振り落とされて頭殴られた…。」

岼「女性に手出すなんてとんだクズね。」

突如Aを襲い出した桃太郎の正体も何故スマホを取ったのか何故今のタイミングで返したのかも全く分からず、とりあえず今夜の対策を考えましょうと、真一はAを見てそう言う。

真二「そうだな…。次はAさんの寝首を搔きに来るかもだしその方が良いかも…。どうする？俺らがここ見張る？」

今日はAの傍で休息を取っていざ桃太郎が来たら、捕まえる気なのだろう。

双子はやる気満々だ。

１人の料理係の為にそこまでしなくてもと思うAだったが、流石にこの状況で言ったら危機感が無さすぎるに等しい。

流石に何度も危ない目に遭って警戒心は嫌でも強くなっている。

こんな状況でそういう発言は控えた方がいい。

だが、何の権利も地位もないというのに隊長二人と副隊長二人を振り回しているこの状況に申し訳ない気持ちしか湧かなかった。

だが、この空間に違和感を感じた。

横目で覗けば歪は双子を見つめて話を聞いている。

だが、どこかおかしく感じた。

なんというか…歪が変に大人しい…。

それに違和感を感じていたのはAだけではなかったらしく、真二が歪の顔を正面から見て眉をひそめる。

真二「？おい。」

歪「…？…はい。」

真二の口から歪の違和感の正体が発覚する。

真二「お前、顔赤くね？」

歪「…？」ボー…

全員「……。」

今日のわんこ　66号→←今日のわんこ　64号

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す