今日の歪 2

今日のわんこ　47号 ページ3

今夜は満月らしく、月見ということでほとんどの隊員たちが昼間の間にキッチンへ足を運んでいた。



「おい、今日月見するから酒沢山用意しとけよ。」



キッチン1「はい！分かりました！」



岼「A〜、私たちも月見するからいつも作ってくれてる梅酒持ってきてー。」



A「はい！」



歪「今日はいろんな人が来ますね。」



キッチン3「今日は満月でどうせ暇だし月見しようってことらしいですよ。今、おしること甘酒の用意もしてますんで良かったら歪隊長も来てください。」



歪「はい…！」



歪は甘酒が作られてる鍋を凝視しながら行う場所を訊く。



歪「開催場所は屋上ですか？」



キッチン1「…ええ、そうなんじゃないですかね。玄関でやるのもあれですし」



A「こっちそろそろ白玉茹でるよ〜」



キッチン2「おう！」



白玉の言葉が耳に入った歪は音を立てずにAの背後に立って茹でられている白玉を見る。



歪「…。」



A「つまみ食いするなよ。」



歪「はい！分かってます！」



そう言ってなかなか視線を外さない歪。



だが、つまみ食いをする気配はなくある程度茹で上がると今度はAの顔を凝視する。



歪「」ｼﾞｰ…



A「……」



歪「」ｼﾞｰｰ…



A「……」



歪「」ｼﾞｰｰｰ…



A「あー、もう！分かったよ！ほら、おしるこもついでに味見しろ！」



歪「ありがとうございます！Aさん！」ﾊﾟｧ



小さなお椀におしること白玉を二つ程入れて渡すAを待っていたかのように歪は嬉しそうに受け取る。



キッチン1「おっ、Aの方が折れた。」



キッチン3「あーあ。あれで折れたら当分はあの方法でつまみ食いするな。」



すると、聞こえてたのかキッチンの隊員に向かって言う歪。



歪「つまみ食いじゃないです…！味見です…！」



そう言ってまた同じ方法でもう一度つまみ食いする歪だった。

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