笑顔 ページ43
「…良いのか?」
俺は強くAを抱き締めながら聞く。
「これが最後だ…光の世界に逃げたいか?」
そんな俺を、Aは抱き締め返した。
『中也の側が私のいる場所。ずっと一緒だ。中也…私を逃さないで。』
その言葉を最後に、俺達は誓った。
ずっと一緒にいようと。
.
.
「もぅ遠慮はしねぇ。」
『?』
急に空気が変わった中也に、どうしたのかと思ったら、抱き締めたまま彼は言った。
「お前を…ーーーー。」
『…!?え?』
「行くぞ。」
『ま、ちょっ!』
中也がそのまま手首を掴んで歩き出す為、待ってと言っても聞いてもらえず、連れて行かれると彼の車まで来た。
そして、鍵を開けようとしたその時、突然車が爆発した。
後ろに吹き飛ばされたが、受け身を取りなんとか無事だった私と中也は、目の前で中也の車が燃える様を見ていた。
中也に関しては愛車を誰かに爆破された為に怒り狂っていた。
「クソが!!誰だ!!何しやがるんだ!!」
燃える車を見て私は、何故か脳裏に太宰を思い出した。
そして、思わず笑ってしまった。
私が笑い続けるので、中也は恨めしそうにこちらを見てきたが、笑いが止まらなかった。
『ごめんごめん!けど…よく燃えてるね!』
ケラケラ笑って止まらない私に中也は顔を近づけて来てキスをした。
「笑うな。」
初めてだった為に、私はびっくりしたが。
私にバカにされたのが気に入らなかったのだろう。
でも、自分からしたくせに、顔を背けながら耳まで赤くする中也にまた笑ってしまった。
『フフッ、ごめんね!…ねぇ、中也…』
「…んだよ。」
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『大好きだよ。』
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作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時