ようこそ ページ41
私が出した報告書を見たボスは、いつもの優しい顔では無く、苦虫を噛み潰したような顔だった。
『ミミックの残党狩りの任務に当たった際、私達は彼等の逃走経路となりうる場所全てを封鎖し、彼等に一斉攻撃をしかけました。しかし、その騒ぎの中、気が付けば太宰1人だけが忽然と姿を消した模様。追っ手を送りましたが、残念ながら逃してしまいました。』
「…そういう事にするのが君のシナリオかい?」
『…私はただ、事実を述べただけです。太宰を逃してしまい、申し訳ありません。』
「…はぁ、仕方がない。太宰君を捕まえるのは困難だろう。彼が抜けた後は大きいよ。どう、責任を取るつもりだい?」
『…命令に従います。』
「良い心がけだ。君にどんな罰を与えようと、何の価値もない。罰とは、心に影響を与えてこそだ。しかし、君は今回の件で1ミリも反省しないだろう。そんな君に仕事を与える。
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幹部になりたまえ。」
『!…それはまた、大出世ですね。私は、下級構成員にされるかと…』
「君とは君が15歳という子供の頃からの付き合いだ。君が何を思い、何を嫌がるか位、少しは理解しているつもりだ。君は昇進を望んでいない、むしろ嫌がる。上に立つ事の重みを知っているからだ。太宰君が戻ってくるまでの仮の幹部とでも思ってくれれば良い。」
『…太宰は戻りませんよ。絶対に。』
「さて…それはどうかな?」
『…失礼します。』
Aが出て行った後、残った森鴎外は報告書を燃やした。
「太宰くん…私はいつでも戻ってくる事を歓迎するよ。Aくん…君はここに残った。忠誠心は無いけど、優秀な事に変わりはない。ようこそ。
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ポートマフィアへ。」
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作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時