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突然聞こえてきた声に、太宰は驚く。

彼女の持っていた携帯からだった。

「時間があまりありません、おふざけはそこまでにして下さい。」

『はいはい、分かった…よっ!』

彼女は持っていた端末を太宰に投げると、それを受け取った太宰の顔が険しいものになった。

「A、これはどう言う事だい。どうして安吾と連絡を…」

『お前をここから確実に逃す。その為に、安吾に今後の事、太宰に協力しろと言った。』

「安吾に協力してもらう必要は無い。」

『良いんだよ、利用できるもんはしていけ。安吾はお前の今後に必ず力になってくれる。それに…』

Aは太宰に顔を近づけると嫌らしく笑った。

『お前のその嫌そうな顔を見れて、私は結構楽しいぞ?』

「!…はぁ…嫌な性格してるよ。」

『お前よりずっと可愛いもんだよ。』

2人はお互い少し笑った。

そして、遠くから銃弾の音が聞こえ始めた。

『どうやら、ミミックの殲滅が始まったらしい。今の内に行け。』

「…本当に良いんだね?」

2度と無いチャンス。

光の世界で生きる道が直ぐ側にある。

でも…

『…うん。』

「…じゃあ、私は行くよ…A、1つ頼みがある。」

『?』

「私の部下を…頼む。」

『!…っは。めんどくさい事で…バイバイ、太宰。』

「…さようなら、A。」

太宰はそのままその場から消えて行った。

私はな…太宰。

お前が嫌いだ。

でも、織田作がお前に託した想いがあるなら、それを守りたい。

何も守れなかった私だけど、お前ならきっと簡単にくたばらないだろ。

だから、お前は希望だ。

どうか、生きてくれ。

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作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時

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