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久しぶり ページ36
あの後、中也を置いて部屋から出て行った。
何も持たず、呆然と歩いていた。
行くあてもなく、フラフラと歩いていると、
夜風が吹き目を閉じた。
そして、目を開けるとそこには、あの日以来会ってなかった男がいた。
「やぁ、良い夜だね。」
『…太宰。』
「ひどい顔してるね、大丈夫?」
『…死にたい気分だ。』
「へー、本当かい?私はいつだって死にたいよ。この世には心中という自 殺方法があるのだよ、君が良ければ僕とするかい?」
『…今なら、お前でも良いかもと思う位にはアリだな。』
心ここに在らずに話す彼女に、太宰は肩をすくめると歩み寄ってきた。
「今の君は、いつものからかい甲斐のあるAじゃないね。」
そう言うと、彼女を抱き締め
「君に案内したい場所がある。付いてきたまえ。」
そう言った。
太宰が耳元で言った言葉に、頷きもせず拒絶もしなかった彼女から離れると、太宰は歩き出し、
Aは黙ってついて行った。
着いた場所は、墓場だった。
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作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時