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いつからだ。

出会った15の頃、俺達は死が日常の世界で、毎日戦って生き延びる事に励んでいた。

恋愛感情なんて、そんな中いつから芽生えたのか分からねぇし、今もこの感情が恋愛かどうかも分からねえ。

ただ、気が付けばAの無事を願い、心配する様になった。

彼女が弱いと思った事はない。

ただ、それでも彼女が何処か、自分の知らない所で傷付いていないか、泣いてはいないか気になって仕方がなかった。

そんなある日、あいつがいつも通り任務が終えた後に、珍しく酒を飲んでいた。

「何だ?A酒飲めたのか?」

『んー、初めて呑んだよ?』

いつもと違う様子に、ちょっと変だなと思ったが、酔っているからか?と思って最初は気が付かなかった。だけど、日に日に飲む回数が増えて、流石にちょっと呑み過ぎだと思った。

「最近やたら呑んでるけど大丈夫か?」

『んー、ねぇ、中也ってお酒呑んだ日の記憶ってある?』

「はぁ?…まぁ、日によっては…覚えてねぇ。」

『アハハ!可愛い!』

「うっせぇーな!俺の酒事情なんかどうだっていいんだよ!何だよ急に。」

『…羨ましいな…って思って。』

そうポツリと零した彼女の言葉に、俺は気が付いた。

「お前…」

『ごめん…私は、この世界で生きてきたくせに、どうも、余所見をしちゃうみたい。他人を殺して、その他人の子供がいたら…とか、そんな事考える余力なんか私には無いのに…ただ、何もかも、忘れられたら…って、バカみたいな事思っちゃって…』

Aは馬鹿では無い。

自分の立場も、生きてる世界も、己の力量も理解している。

孤児だった境遇の記憶は、時に周りを気にする甘い考えを生ませるのだろう。

馬鹿だな…分かっていても、周りを気にするだなんて…いや…

俺も、こうやってお前をいつも心配していた。

心配する様なヘマをする奴じゃないのに。

…あぁ、そっか。

こうやって、自分以外を想う事自体が馬鹿だってこの世界ではなるのかもな。

お前が馬鹿だってのなら、俺も…

「馬鹿だなぁ。」

こんなにも、お前を想っちまって。

『何よ、そんなバッサリ言わなくたっていいじゃない。』

「あはは!良いじゃねぇかバカ。」

『はぁ?私は真剣に悩んでいるのに…もぅ』

ムスッとしていたAの顔が笑顔になり、俺は思った。

あぁ、俺はコイツの笑顔が好きだ。

どちらかと言えば、険しい表情が多い彼女が、こうして自分に向けてくれる子供っぽい笑顔を見ると、なんか胸の辺りが騒つく。

バカ→←告白



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作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時

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