夜 ページ30
15の頃の夢を見た。
兄弟達を失った、あの日の事を繰り返し見ていたあの頃。
私は毎日夜、寝る事が怖かった。
見たくなくても見てしまう、異能力の為に睡眠薬も飲んでも効かない。
精神的に不安定で、睡眠不足だけど、夢を見たくなくて上手く眠れない。
いつも悪夢にうなされ、叫んでしまう事が多かった。
だけど、そんな私がある日を境に悪夢にうなされなくなっていた。
中也のお陰だった。
中也が、私を抱き締めて寝たのだ。
最初は寝にくいから嫌だと言ったけど、離してくれなかったから、抵抗しなくなり、彼の体温を感じながら目を閉じていた。
すると、私は夢を見なくなっていた。
気が付いたら、中也に起こされて朝を迎えていた。
最初、私は本当に寝たのかと思ったが、体が軽くなっているのを感じ、携帯で時間を見ると、ちゃんと明日を迎えていた。
それからも、中也とは毎日一緒に寝ていた。
気が付いたら、悪夢にうなされなくなった。
ボスに診てもらうと、精神的な部分が良くなっていると言われた。
睡眠が取れるようになった事で、顔色もよくなり、眠くなったら寝たいと思えるような体になっていた。
中也が居ない日があっても、きちんと眠れるようになり、私は夜が怖くなくなり、中也に感謝した。
私が、もう一人でも寝れる様になった!と言うと、中也は嬉しそうな顔をして、だけどちょっと寂しそうな顔をしていた。
中也…
どうしてそんな顔をするの?
私は、貴方を安心させたかっただけなのに…
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作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時