【文スト】あなたの側で【18歳】 (ページ28)

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一矢報いたいページ28

織田作が死んでしまっても、それを偲んで悲しみに暮れる訳にはいかなかった。

裏社会では死は日常。

そもそも、マフィアの下級構成員1人がミミックのボスを倒した事さえ、ただの業務連絡として耳に入らないだろう。

ただ、ミミックの残党はいたので、これを殲滅しなければいけなかった。

私は、もう遠慮がいらない相手に容赦なく毒を撃ち込み、仕事に没頭していた。

織田作が死んで数日。

私はただ仕事をこなした。

あの日、織田作と太宰を見て呆然としていた私は、携帯でボスに呼び出され向かった。

そして、織田作は死に、ミミックのボスも死亡したと報告した。

私は俯いていた。

だけど、ボスの次の言葉に目を開いた。

「織田くんを失ったのは悲しい事だ。」

『…本当に…そう思っているの…』

「おや？いつもの下手くそな敬語はどうしたんだい？…まぁいっか。たまには本性を出してもらっても。」

私は、俯きながら、震えていた。

『お前が…織田作に…夢を諦めさせた…彼は…強くて、優しくて…こんな事で…死んではいけない人だった…お前が…そんな紙切れのために、犠牲にしていい人間じゃないんだ…』

その時、私の肩に激痛が走った。

思わずよろけ、肩を見るとメスが刺さっていた。

それを見て私は、ボスの顔を見た。

とても怒った顔だ。

「口を慎みたまえ。君が紙切れと言おうが、織田くんが死ぬべきじゃない人だとしても、これが最適解だったのだよ。」

私はメスを引き抜くと床に捨て、笑った。

『フフフフフ…ヤブ医者が、お前はいつもそうだ、欲しい物の為に生まれる犠牲に、一々心を動かさない。織田作が死んで悲しい？心にない事を…ミミックをヨコハマに呼び、特務課を動かした。孤児達の居場所をミミックに言った。織田作を使ってミミックを倒した。紙切れも手に入って、なにもかも計画通り…織田作が死んだ事なんか、些細な事…それがお前だろ。』

「分かってるじゃないか？君は太宰くんには劣るが、似た資質を持つ優秀な部下だ。それで？私にどうして欲しいんだい？また、暴れるかい？」

『分かってるじゃないか…お前はこのポートマフィアに必要なボスだ。だけど、一矢報わなきゃ腹の虫がおさまらねぇんだよ、クソ野郎！！』

その瞬間Aは拳銃を森鴎外に向け撃った。

しかし、次の瞬間その弾は森鴎外に当たらず止まった。

赤く光る弾に、私は動揺した。

まさか…

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「重力操作…」