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最悪 ページ22

「本当に一緒に行かないのか?」

『うん!荷物多くなってごめんね!喜んでくれるといいなぁ…』

「こんなに菓子くれる相手だと知ったら、きっとお菓子くれる人間だと思われるな。」

『あははは!これでも血生臭いマフィアなのに、子供達からしたらお菓子の人だなんて、随分可笑しな話だね!』

「…ダジャレ言ったか?」

『言わないで、たまたまだから。』

Aが苦笑いする中、電話が鳴った。

『ボスからだ…はい、Aです。はい…了解です。』

「呼び出しか。」

『やっぱ行こうかな…』

「殺されるぞ?」

『はぁ…シャレにならないか。じゃあ、織田作、お菓子よろしくね!』

「あぁ、また。」

織田作と別れたAは彼と反対方向に歩いて行き、ボスがいる最上階へと向かって行った。

エレベーターに乗り、ボスの部屋に入った。

中に入ると、ボスがガラス窓の方を見ながら椅子に座っていた。

『ボス、要件は何でしょうか?』

こちらを見ないが、私が来た事は理解してるボスは、私の方を見ずに話し出した。

「安吾君に会ったそうだね。」

『…報告書に出した通りですが、会いました。逃げられましたが。』

安吾の事を急に振られ、一瞬動揺してしまいかけたが、何とか堪えた。

安吾の事は、ボスから秘密裏に監視を命令されていた。

自らの意思で安吾を逃した事がバレれば、ポートマフィアの裏切り者を逃しただけでも不味いが、何より私は彼が特務課である事を知った上で行動していた。

これは色々組織内でも不味い。

ボスが私を裏切り者を逃した無能という烙印を打つかもしれないし、特務課と知っていたのを黙っていたと知られれば、私も裏切り者として疑われる可能性があり不味い…

ボスがこちらを見ていないのだから、目線が合うはずも無いのに、私はボスから目を逸らしていた。

ボスの表情は見えない。

だけど、声が巫山戯てない。

まだ幾分かエリス嬢と巫山戯てる、あの気持ち悪い声を聞いてる方がマシだ。

『…安吾を逃してしまい、申し訳ありません。』

弁明する必要はない。

例え私が何を言ったところで、ボスの意思が揺らぐ事は無い。なら、謝るしか無いと思った私は、ただそれだけ言うと、ボスが次に言う言葉を待つ事にした。

拷問…かな。

裏切っていなくても、裏切り者として見なされたら私は、拷問されるか、その末に…終わる。



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最悪だ…

ご機嫌取り→←お菓子



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作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時

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