狂犬 ページ17
人を傷付けるコントロールは、
マフィアの中でもずば抜けていた。
毒の力は、未知な部分が多い。
相手を精神的にも物理的にも追い詰められる。
解毒したければ、異能力を使えば1発だ。
生かすも殺すも、どうとでも出来た。
だけど、この力を持っていながら、
自分の無能さにいつも腹を立てていた。
私は、命令されれば誰だって葬った。
その代わりに
死んで欲しく無い人は守りたいと思った。
でも…殺す事が出来ても、守る事は…1度だって出来なかった。
地位が上がっても…私自身は何も変わらない。
弱い自分。
太宰は、いつも私を見下していた。
地位が上がった時、いつも鼻で笑っていた。
「君はいつも怒っている。澄ました顔して、いつも何もかも破壊したいと言わんばかりの怒りだ。八つ当たりをするなら、僕にはしないでよ?」
そう言われた時は、その場で銃を抜こうとしたが、周りに止められて危うく懲罰されるとこだった。
そんな私は裏社会でこの異能力から毒使い、毒女と呼ばれる事があるけど、狂気染みた怒りを持ちながら組織の犬として任務をこなす事から、畏怖なのか嫌味なのか、狂犬とも呼ばれていた。
ボスの部屋を後にして、むしゃくしゃした私は夜道を1人あるいていた。
気が付いたら、いつものバーに着いていた。
呑みたい気分だった訳ではないが、行きたい所が特に思い付かなかったから無意識の内に向かっていた。
そして、そこで私は意外な人物に会うことになった。
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『坂口…安吾…』
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作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時