五大幹部会 ページ15
私は廊下を走っていた。
太宰がミミックの手掛かりを見付け、部下がそこに向かうと織田作が倒れていたらしい。
医務室に着くと、織田作がベッドで横になっていた。
最初に彼を見た医者が、毒にやられた可能性を見付け、私が呼ばれた訳だ。
医者の予想通り、毒にやられている。
手から毒は入ったらしく、直ぐ異能力を使い毒を無効化した。
致死性は無かったとは言え、放置すればする程苦しみは長引く程度の毒だった。
織田作を診た医者は、彼は爆発にやられたらしく、体にもダメージがあると教えてくれた為、改めて彼程の強さを持ってしても、危険が多いと感じた。
『織田作…』
コンコン
扉を叩く音がして振り返ると、そこには太宰がいた。
「お邪魔だったかい?」
『…別に。もう出るよ。』
そう言って出て行こうとした私に、太宰は腕を掴んできた。
「…君は、知っているんだろう?A」
『!…何を?』
「安吾だよ。」
太宰の腕を握る力が強まる。
思わず、少し顔をしかめてしまった。
勿論…私はずっと前から知っている。
ボスの命令で秘密裏に監視したのだ。
彼は中々気取らせなかったが、ずっと監視していたのだ。
でも、彼の正体は誰にも話さなかった。
命令だからだ。
『安吾?今行方不明になっている坂口安吾の事?私は知らないわよ。』
「君がボスから命令されているのなら、口を割らそうとは思わない。ただ、織田作がこんな目にあったのは、恐らく安吾が絡んでいる。私は安吾が組織を裏切ったと見てる。」
『!』
「けど、安吾とミミックは別物だ。彼は別の組織と関係を持っている。」
流石太宰だ…
全部分かっているのか。
「君は知っている上で行動をしている。でも、望まない結果を出してしまったら、それは、知らなかった者と変わらない業が重いよ。」
『…脅しているの?』
「いいや。ただの世間話だよ。もっとも、心当たりがあるのなら考えた方が良いとは思うけど。」
『…。』
「先に教えとく。五大幹部会が召集された。」
『な?!五大幹部会…って…』
前にあったのは、龍頭抗争の時だった。
そんなにも、事が大事だなんて…
「マフィアの全戦力以ってミミックを迎撃する事が決まった。厳戒態勢だよ。」
『…了解した。』
Aがそういうと、太宰は腕を離した。
そして、彼女は部屋を出て行くとボスの元へと急いだ。
76人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クロ | 作成日時:2019年7月13日 1時