10話目 ページ10
土がまだ柔らか過ぎる。踏んだ形跡はあるが、ずしりとした何かを使って柔らかくなり、畑を荒らしたんだ。
それにチーノ様が来たタイミングで誰かが此処に居た。その証拠に、足跡らしき土で靴の裏側を作ってあったのを発見した。小さい…。
my「…ひとらんらん様！」
ht「ひとらんで良いよ？名前長いからね。」
お、おう…？急なフレンドリーな方だったんだ。
my「では、ひとらん様。先程、誰か此処を見ませんでしたか！？」
ht「…いや、俺も今来たばかりで、誰ともすれ違ってないな。」
my「犯人は、足が小さくてシャベルを使いました。女性の中に、観光客が居るのではないかと…！」
その後、この件についてはまだ女性が犯人である事は仮定として、幹部全員のインカムに忠告してくれた。ひとらん様に感謝をして再び仕事に戻った。……が。
ci「いやーマイさん俺、マイさんのかっこいい所見て、めちゃくちゃ感動しました！姐さんとお呼びしても！！」
でっけぇ犬に懐かれたじゃねぇかぁあああ！！
しかも、やめて？私お姉さんキャラじゃねぇし！うちには既に姉と母と妹が居るんで。男はもう勘弁してくださいな！？
my「あははは、それほどでも。」
なに照れてんだ私は。否定せんかい！
ci「〜っ//!?」
すると急に黙ったチーノ様が赤くなり始めた。え、この後に及んで熱かい！？
my「チーノ様…？」
ci「あっ嫌、全然なんでもない。ほな、お仕事頑張ってなマイさん！」
ピューんっと慌てて走り去ってしまったチーノ様の背中を見て一言。
my「私、いつ名前を教えたっけ？」
今日はなんだか、初日にしては家と変わらずとんだ出来事に巻き込まれたなぁ…。
休憩時間が少し遅れたが、美味しいお茶でも飲んでゆっくりして再び別の仕事に移動しようとした時だった。
J「…ﾁｯ、邪魔よアンタ。」
わぉ、休憩室から出た同僚のジェーンさんと待伏せしてしまい、舌打ちされた。残念ながら、舌打ちされる女は怖くないんだなー？？
気を取り直して、お茶を淹れようと部屋に入ると先約が居た。明らかにさっきの人に頬を叩かれたであろう鬱様が、ヘラヘラした様子で突っ立っていた。
勘弁しておくれ…。
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作者名：み〜と | 作成日時：2022年12月23日 19時
