漆黒の指揮者 ページ46
〜総統室〜
総統と二人きり、今日は命日かもしれない。
gr「突然ここに呼び出してすまない。二人きりで話がしたかった。」
ユウ「だ、大丈夫です…。お話とは？」
総統は席を立ち上がって窓を見る。
指先で隣に来てほしいと指された。
gr「私がAをここに勧誘したのは、共通点がある。『創造』だ。同じ出身であったことから出会いだった。
彼女の両親は知らない。そして彼女自身も知らない。
だが、彼女は飽きずに壁や地面に絵を書いていた。
美しい絵だった。彼女が作る世界を創造し、私が作るこの国を創造していく。それが不思議な共通点だった。
だから私は彼女を勧誘した。」
ユウ「……。」
満月はまだ先のこと。半分しかない月の姿を目にしながら総統グルッペンは私に話していた。
彼の横顔を見て思うこと、寂しい…。
gr「当時、彼女は貧しかった。私の両親は最初に反対されたが、どうしても彼女の姿を見て学んだ。
上と下の立場が決められた世界だと。この違いに生きている私と彼女は世界を作るのに難しいのではないかと思ったが、両親は保護することに判断した。娘が出来た。
新たな家族が増えたことに喜んでいた。」
過去も今も、自然や社会、日常が崩壊と貧困に侵されている世の中だからこそ生きるか死に別れられている。
学校に通ったことのない子供たちは、ゴミ箱を漁り店にだし、家族を養いながら生きているのだ。
gr「そして今、私が代々総統に受け継ぐがれていくのをどんなに待ちきれたか。私はこの国が好きだ！
私は様々な国と喧嘩した。そして和解を結び、条約を締結し、この国をより豊かに大きく成長させた！
…………しかし、多くの家族を失った。その覚悟はすでに出来ていた…。ユウくん。」
月の反射光で輝く赤眼を持つ彼は私と向き合いこう話した。
gr「戦争はどう思うかね？」
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作者名：み〜と | 作成日時：2022年6月13日 16時
