ちょっとちょっと、太宰さん！？ストップストップ！！【文スト】

１８．神様 ページ43

太宰さん、与謝野女医、賢治くんの順番に籤を引いていく。私は免除だ。

　太宰さんのしなやかな指から覗く籤は、“3･4”。
　与謝野女医は“27・28”。
　賢治くんが“33･34”。

　見た限り誰も不正していないように見えた、籤引き。神籤とも呼ばれるそれに不正を加えるなんて、そもそも言語道断なのだけど。

「なっ......！！」

　これは神籤じゃない。最初から結果の見えている、ただの塗り絵。太宰さんが引いた線の間を、役者たちが踊って彩る。
　誰よりも心を揺らせる曲芸を、私は見せたい。

「これは僥倖。神様も悪戯なことをするね。」

「こ、こンなこと...！......っ！」

　太宰さんの籤は“3･4”だった。若い数字の人が面倒役を押し付けられるから、コンクリを突き破って蝉の幼虫が出てくるくらいの事がない限り、ドベは太宰さん。

『神様は太宰さんに微笑んだようですね！ あれ、谷崎くん？ 国木田さんも、顔真っ青ですよ？』

　太宰さんは楽しそうに見えた。余裕をたっぷり浮かべた、悪魔にさえ見える微笑を、間抜けな顔をした2人に向けていた。ああ、神でさえうっとりしてしまおう魅力的な御顔を。


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最後なんか変態チック？ いやいやまさか...
次回更新予定日:10月24日

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