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【あむろとおる】*下※よく分からなくなってしまった……それでも大丈夫な方だけ見て下さい ページ50

失うことが怖くて彼を突き放した



突然の交通事故で亡くなってしまった両親と
警察官で危険な仕事をしている彼が重なった



いつか彼も私の前から突然いなくなるんじゃないか



そう思うと苦しくて辛くて









喫茶店の窓から見える空は真っ黒で雨が降っている
あの日と同じ空模様に胸が苦しくなる



小さなため息をついてホールを片付けているとアルバイトの夏樹ちゃんが明るい声を出す


「店長!ポアロってお店知ってますかー?」

『名前はお客様から聞いたことあるよ。行ったことないし何処にあるのかは知らないけど』


最近、女性客の間で噂になっているお店
珈琲が美味しくてハムサンドが人気らしい
噂の的は優しいイケメンくんの笑顔


「そこで働いている男の人が店長に似てるんですよ!」


『そうなの?』と返事を返すと指を折りながら「優しいところとか、笑い方とか」と楽しそうに話し出す


「…………たまにする寂しそうな顔とか」


夏樹ちゃんはチラッと私を見て言いにくそうに言う
ああ、バレてたんだなとくすり笑うと首を傾げる夏樹ちゃん


『その人の名前は?』

「確か、あむろとおるだったかな?知り合いですかー?」

『んー……知らないわ』


慣れた手つきで珈琲を淹れる準備をする



彼が好きだと言ってくれた笑顔で
彼の好きなブランドの珈琲を淹れる





未練が私を呑み込んでいく









気分転換に向かった先は夏樹ちゃんから教えてもらった喫茶店
上の階に毛利探偵事務所と大きく書いてあるので迷わずに来れた

朝から降り続けている雨のせいで人一人歩いていない


お店の中を覗くと見覚えのある金髪が見えて



雨の中その場に立ち尽くす



『零?』



窓の向こうにいる金髪で褐色の肌の男の人は間違いなく彼で
茶髪のロングヘアーの女の人と寄り添って笑っている



無愛想でめったに表情を変えない彼が
私の見たことない笑顔で笑っていた



来た道を戻りながら未練がましい自分に呆れる



突き放したのは私なのに
彼は前に進んでいるのに



どうしようもない嫉妬に狂ってしまいそう



『バカみたい』









自分の店に戻ってキッチンに立つ
慣れた手つきで珈琲を淹れる





冷えた体はすぐに暖まる





喉を通る熱さが心地いい





冷たさのせいか





香ばしい香りがしない



苦味のある味がしない

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 無銘さん» ご指摘ありがとうございます。訂正致しました。 (2017年11月30日 13時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - 公安ホームズについてですが、志保が夢主より年下の場合、その旦那に当たる赤井は夢主の弟にあたります。つまり、降谷からしても赤井は弟になるので、兄と言う表現は間違ってますよー (2017年10月13日 23時) (レス) id: 9e2dbad905 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんさん» りんさんいつもありがとうございます! (2017年8月17日 15時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続き楽しみにしてますやっぱり話が面白い!! (2017年8月17日 15時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 零音さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2017年7月30日 5時) (レス) id: d461347606 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年7月11日 23時

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